エミリア・ロマーニャ州でつくられる赤いスパークリングワイン、「ランブルスコ」のワイナリーに潜入

食通にその名を知られたイタリア・エミリア・ロマーニャ州。この地でつくられる赤いスパークリングワイン、「ランブルスコ」ももちろん食通に愛されるワインだ。

赤いスパークリングワイン、ランブルスコは美味しいだけでなくコスパも最高

 スパークリングワインといえば、フランス・シャンパーニュ地方のシャンパンを思うかべる人も多いだろうが、イタリアのエミリア・ロマーニャ州では、古くからランブルスコが有名だ。飲みやすい甘口から、キリッとした辛口まで、ランブルスコの味は幅広いので、自分に合う銘柄を見つける楽しみも残されている。

ランブルスコは甘口から辛口まで。基本的には赤ですが、ロゼや白もある

 シャンパンを例に上げるまでもなく、スパークリングワインというと「白」を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、ランブルスコは「赤」のスパークリングワイン。葡萄の品種はランブルスコ種で、その品種がそのまま名前の由来となっている。

 エミリア・ロマーニャ州の州都はボローニャ。ボローニャのリストランテを訪れる機会があれば、名物のボロネーゼとともにランブルスコをオーダーすることをおすすめしたい。ランブルスコは弱発泡性のスパークリングワインで、タンニンも控えめ。料理に合わせやすくアルコール度数も低いので、ランチでランブルスコをオーダーするのはいかにも地元の人の楽しみ方だ。

 このランブルスコがどのようにして造られているのか、エミリア・ロマーニャ州・モデナのワイナリーを訪ねてみた。モデナでランブルスコのワイナリーとして有名な「ヴィッラ・ディ・コルロ」だ。

 こちらで使われるブドウの品種は、ランブルスコ・グラスパロッサ100%。ちょうど収穫したてのブドウが運ばれてきたというので、味見をさせてもらうと、小粒の巨峰と呼びたくなるほどの甘さ。これがあのすっきりした辛口になるとはちょっと信じられない。

モデナで有名なワイナリー「ヴィッラ・ディ・コルロ」を訪ねた

 ワイナリーで働くスタッフは、「ランブルスコに使うのは、近くのモデナのブドウ畑で収穫したブドウだけ」ときっぱり。発酵途中のランブルスコをグラスに注ぎ、味見をさせてもらった。

 まだ発酵途中ということもあり、甘いフレッシュなぶどうジュースといったところ。これがどのようにして奥深い微炭酸のランブルスコになるのだろうか。

 ランブルスコはステンレスタンクで発酵される。密閉したタンク内で糖分がエチルアルコールとCO₂に分解し、そのCO₂が溶け込んで微炭酸に。つまりアルコール度数は、甘口ほど低く、辛口になるほど高くなるというわけだ。

 また、ステンレスタンクを用いることで、スッキリした後味となる。

採れたてのランブルスコ・グラスパロッサ。一粒食べてみると、想像以上の甘さにビックリ

 このワイナリーで作られるランブルスコ「コルレート・ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロDOP」は、ワインの格付けで権威ある雑誌『WINE ENTHUSIAST』で90点、『James Suckling』で92点、『DECANTER UK』で93点と、素晴らしい評価を受けるほど、ヨーロッパでは認められたスパークリングワインだ。

 ちなみに「DOP」は、イタリアの原産地名称保護制度のことで、DOPで定めた伝統的な製法によって造られたものを意味している。モデナ産のブドウだけを使っていることをことさら強調した理由もこのためだったのだ。

発酵途中のランブルスコを、タンクから直接グラスに注いで試飲

 ヴィッラ・ディ・コルロの2階にある試飲ルームで、同じくエミリア・ロマーニャ州の有名なチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノとともに試飲させてもらった。

 少し冷やしてから飲むと、きめ細やかな気泡が口中に広がり、キリッとしたサッパリ後味なので、肉料理や脂っこい料理にぴったり。この爽やかな後味のランブルスコと、ドルチェと呼ばれる甘いランブルスコはまったくの別ものだ。

 深みのある赤紫色のしっかりしたボディで、味わいはとてもフルーティ。カシスやブルーベリーの香りが鼻腔を抜けていき、後味はすっきりとしている。

ランブルスコの発酵は木の樽ではなく、ステンレスのタンクが用いられる

 ランブルスコはまだ日本ではあまりメジャーなスパークリングワインではない。高級なシャンパンよりもコストパフォーマンスにも優れており、シャンパン女子にウンチクを語るにはもってこいの1本といっていいだろう。

 ちなみに、ヴィッラ・ディ・コルロのあるモデナは、マセラティやフェラーリの本社が所在している地域。イタリアン・スーパーカー好きなら、ランブルスコは押さえておいて損はないワインだ。

Gallery:【画像】ランブルスコの故郷を訪ねて(13枚)