V8フェラーリが500万円台から フェラーリオーナーも夢ではない!

2020年の「オープンロード・ヨーロピアン・サマー・オークション」では、実に魅力的なリトル・フェラーリが出品された。落札価格も手頃な500万円台から。はじめてのフェラーリとして参考になる3台を紹介しよう。

1000万円以下でフェラーリオーナーの扉を開く!

 次に注目されたのは、308シリーズの後継車となる「328」だ。出品車は1987年式の328GTBである。

 フェラーリが公式に残す記録によれば、328シリーズ・トータルの生産台数は1985年から1989年にかけて7412台。このうちベルリネッタ(クーペ)のGTBは1344台、タルガトップのGTSは6068台と、市場での人気から見ればGTSの方が圧倒的に高いことが分かる。

 ただし現在では、その希少性や耐候性からクーペの人気が逆転している。

●1987年式 フェラーリ「328GTB」

約950万円で落札された1987年式フェラーリ「328GTB」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby’s

 328シリーズでは、フレームやサスペンションをはじめ、デビュー時より308から大きく異なるメカニズムが採用されていたが、やはりそのメイントピックといえるのは、新たに排気量が3.2リッターに拡大された、V型8気筒DOHC4バルブエンジンの存在だろう。

 さらに高性能なパワースペックを得るためのモディファイも数多く施されており、インテーク側のバルブリフト量の拡大や、吸気ポートのデザイン変更、新型の点火システムの採用などもおこなわれている。

 その結果、328用の3.2リッターエンジンが得た最高出力は、欧州仕様で270ps。ただし、日本やアメリカ向けモデルでは、最高出力は260psに絞られていた。

 今回のオークションでは、7万−9万ユーロ(邦貨換算約880~1130万円)の予想落札価格に対して、7万5900ユーロ(同950万円)での売買が成立した。

 この少々お安く感じてしまう落札価格の原因は、翌1988年モデルでは、サスペンション・セッティングの大幅な見直しや、それまでオプションだったABSの全車標準装備などがおこなわれているからである。それを知るコレクターやマニアは、1988年以降の328を狙っているというわけだ。

 しかし、逆に割安感の出てきた、1988年以前のモデルをあえて狙うというのもありだろう。

●1992年式 フェラーリ「348tb」

約660万円で落札された1992年式フェラーリ「348tb」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby’s

 最後に紹介するのは、それまでの308/328からドラスティックにエクステリアデザインを変化させた、1989年デビューの348tbだ。この348にもベルリネッタのtbと、タルガトップのtsがあり、さらに1993年になるとフルオープンモデルのスパイダーも加わる。

 出品車は1992年式の348tb、すなわちベルリネッタだ。

 車名の「t」の文字は、搭載されるV型8気筒エンジンに組みあわされる5速MTが、横置きされていることを意味している。

 日本では、さまざまなトラブルが発生したためか、あるいはそのような噂が流れたことから、さほど人気のない348シリーズだが、ピニンファリーナのチーフ・スタイリストであったレオナルド・フィオラバンティが最後に残したというデザインは、先に誕生した12気筒モデルのテスタロッサの持つ雰囲気にも似て、実に優雅なものだ。

 リヤミッドに縦置き搭載されるエンジンは、3.4リッターに排気量が拡大されたV型8気筒DOHC4バルブで、最高出力は300ps。最高速は275km/hを記録した。

 6万−8万ユーロ(邦貨換算約750−1000万円)という、比較的手頃な予想落札価格で出品されたこの348は、新車からの走行距離は1万800kmと少ないものの、助手席ドアミラーや同ドアエッジ、リアバンパーカバーなどにマイナーな修理の跡があり、その部分の再塗装はおこなわれずに出品されている。

 こうしたことが理由なのだろう、落札価格は5万2800ユーロ(同660万円)とかなり安い結果となった。ただしこれも、自分でレストアを楽しむには、魅力的な一台といえるのではないだろうか。

Gallery:【画像】「308」から「328」「348」へと続くリトルフェラーリの系譜とは(25枚)