贅沢は敵だ!? ロールス・ロイスが考えるラグジュアリーとは?

ロールス・ロイスの新型「ゴースト」のデビューが2020年7月に発表された。ゴーストは、ロールス・ロイス史上でももっとも成功を収めたモデルの1台。どのようなコンセプトで開発が進められているのか、最高経営責任者トルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏からの公開書簡から読み解こう。

ラグジュアリーの新潮流「ポスト・オピュレンス」とは?

 ここ数年、ゴーストの顧客を含む特定の富裕層顧客の動向を調査研究してきた私たちは、この動向を「ポスト・オピュレンス」(贅沢からの脱却)と名付けました。

●無駄な装飾を一切廃するミニマル志向へ

ロールス・ロイスの新型「ゴースト」には、どのようなエンジニアリングが採用されるのでしょうか

 私たちは、こうした顧客がミニマルで抑制の効いたラグジュアリーを好む傾向にあることに気づきました。彼らは無駄な装飾を否定し、デザインの純粋性を好みます。

 このミニマリズムに加えて、ゴーストの顧客は革新的かつエフォートレスなテクノロジーと、現実的で確かなエンジニアリングも求めています。

 もちろん、努力と成功を象徴し、偉大さを感じさせ、圧倒的な存在感を放つ贅沢なアイテムや自動車の市場は今後も存在するでしょう。けれども、私たちロールス・ロイスは、グローバルな富裕層市場を構成する顧客層におけるニーズの変化に常に注意を払っているのです。

 その流れのなかで、私たちは5年前、新型ゴーストの開発に着手しました。そしてそれは、初代から引き継いだコンポーネントがスピリット・オブ・エクスタシーと傘だけという、完全な新開発モデルへと結びつきました。

 新型ゴーストは、英国ウェスト・サセックス州グッドウッドにあるグローバル・センター・オブ・ラグジュアリー・マニュファクチャリング・エクセレンスにおいて、ゼロからデザイン・開発・製作されました。これが「ポスト・オピュレンス」志向の顧客層の要望と期待に対する私たちの答えです。

 ゴーストは、ロールス・ロイスとして史上もっとも純粋な表現に徹したモデルです。これは、当ブランドの構成要素を再解釈して生み出された、美しくミニマルかつ複雑な製品で、ゴーストの顧客のニーズに完璧に調和しています。また、いま私たちが生きている時代にも完璧に同調しているモデルであると私は考えています。

 ロールス・ロイスは常に将来を見据えて歩み続けています。当社は、その時代の一時的な制約にとらわれたり縛られたりしない製品づくりを追求しています。

 私たちは積極性と希望を持って、より良い将来のために計画を立て、完璧を求めて努力し、偉業や大望を想起させる力強いシンボルを作り出していきます。

 このスピリットに則り、私たちは今後数か月をかけ、皆様に新型ゴーストを味わっていただく機会をご提供します。この歴史的な瞬間についての詳細な情報は、数週間のうちにお届けします。

 まずは、4つの美しいアニメーションによりゴーストの顧客層のライフスタイルと、かつてない崇高な表現で具現化された、このロールス・ロイスを支える高度な技術に関する詳細をご紹介します。

 こうした形での情報提供を経て、最終的に新型ゴーストはフルデジタルの環境で皆様に公開されます。その後、顧客向け、メディア向け、および一般向けのイベントを世界各地で開催する予定です。

 お体に気をつけて、ぜひ前向きなスピリットでお過ごしください。

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 ロールス・ロイスがいかにシンプルで魅力的な造形のサルーンを生み出すのか。それを今から楽しみに待つ顧客は世界中に多く存在するだろう。

 最新の情報によれば、新型ゴーストの駆動方式は4WD。さらに後輪操舵も組み合わされるという。サスペンションには、これまで熟成が図られてきたマジック・コントロールがさらに性能を向上させて採用され、ドライバーとしてもパッセンジャーとしても、その動きには多いに満足できるに違いない。

 新型ゴーストのデビューまであとわずか。これまでと共通のパーツはフロントノーズに輝く「スプリット・オブ・エクスタシー」と、Bピラーに収納される傘のみというから、やはりその期待は大いに高まる。

Gallery:【画像】アニメで見る新型「ゴースト」のヒミツをチラ見せ(6枚)