VAGUE(ヴァーグ)

予算1000万円で買うフェラーリ「F355」は、「マニュアル」と「F1マチック」どっちがお得?

当時最先端だった「F1マチック」とMTでは、どっちが高い?

 今回出品された2台のF355は、1台が1996年のGTB、6速マニュアル仕様。もう一台は1998年のF1マチック仕様のGTBだ。

  • フェラーリを「オートマチック限定」の免許でも運転できるようになったのは、画期的であった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 F355のGTBは世界的に人気が高く、どこの国でもコンディションに優れている売り物を探しているだけに、このオンライン・オークションは目立たないわけはない。

 興味深いのは、両車ともに右ハンドル仕様であることだ。1996年のマニュアル仕様は、もともとイギリスに出荷されたもので、ここ9か月間に約1万8000ポンド(邦貨換算約250万円)をかけてメンテナンスを受けている。

 オークション前には、カムベルト、プーリー、クラッチ、クラッチベアリング、前後ブレーキ、フロント/リア・アライメント、ウォーターポンプなどのオーバーホールを徹底しておこなわれている。

 見どころは408台しか生産されなかった右ハンドル仕様のなかでも、さらに11台しかないブラックボディと、オプションで選択したグレーのカーボンバケットシートのカラー・コンビネーションの素晴らしさである。

 一方の1998年式F1マチックも負けてはいない。最初のデリバリーはシンガポールと記録されているが、すぐにイギリスへとわたり、ここで再度サービスを受けると同時に、マイル表示のメーターへの付け替えがおこなわれた。

 走行距離はマニュアルが1万7103マイル(約2万7365km)。F1マチックは2万6444マイル(約4万2310km)だ。

 注目の落札価格は、1996年の6速MT仕様が9万6500ポンド(邦貨換算約1340万円)、1998年のF1マチック仕様は7万1250ポンド(邦貨換算約988万円)だった。

 ユーロやポンドなどの為替レートが大きく動くなかで、運が良ければ、意外に手頃に手に入るといった感覚のフェラーリF355。クラッシックとモダン、アナログとデジタル。さまざまな世代が混在するこのモデルは、せひとも一度は体験しておきたい1台といえる。

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【VAGUEの見解】
 同年式、同装備で比べた場合、F355はMTの方が中古車市場で高い傾向にある。MTの方が故障も少なく、ミッショントラブルに見舞われた際の修理費用も抑えることができる。

 サーキット走行など、走りを楽しむ人ならば迷わずMTを選ぶべきだろう。

 しかし、年間走行距離が少なく、サーキットなどを積極的に走ることがなければ、F1マチックを安く購入してフェラーリライフを気軽に楽しむというのもありだ。その際は、しっかりとメンテナンスされた個体を選ぶようにしたい。

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