今さら聞けない、「クラシックカー」と「ヴィンテージカー」の違いとは?

最近よく目にする「クラシックカー」や「ヴィンテージカー」という古いクルマを指す言葉。本来の意味も知らずに古いクルマすべてをそう呼んでいる人もいるだろう。しかし、本来は厳格な年代による区別が存在する。そこでVAGUEがわかりやすくレクチャーしよう。

「ヴィンテージ」よりも古い「ヴェテラン」とは?

 英国の「ヴィンテージ・スポーツカー・クラブ(VSCC)」の区分け法に則って、時代によって変わる呼び名を6つ紹介しよう。

●−1904年:ヴェテラン

ヴェテラン:ベンツ「パテントモトールヴァーゲン」

「ヴェテランカー」は、ガソリン自動車という乗り物がこの世に誕生して間もない、19世紀末から20世紀初頭に作られたクルマたち。いわゆる「馬なし馬車」である。

 エンジンの搭載位置や駆動方法がまちまちであること、あるいは原始的なレバー式のステアリングを持つことなど、パイオニア期ゆえの試行錯誤の集合体である。

 正確な年代の区切りについては意見が分かれるが、この年代のクルマによる代表的なイベント、復刻版「ロンドン-ブライトン・ラン」では1904年製作までを区切りとしていることから、ここでもそれに倣うことにした。

●代表的モデル
・1886年:ベンツ「パテントモトールヴァーゲン」
 カール・ベンツが開発・製作した「ガソリン自動車」という乗り物のパイオニア。1893年までに25台が生産されたといわれている。

・1895年:パナール「ルヴァッソール」
 エンジンを前方に置き、プロペラシャフトを介して後輪を駆動する「パナール・システム」を採用。現代に至る、すべてのFR車のパイオニアとなった。

●1905年−1914年:エドワーディアン

エドワーディアン:ロールス・ロイス「シルヴァーゴースト」

 アンティークジュエリーの世界でも年代分けの指標となっている「エドワーディアン」期は、自動車の世界では、1905年頃から第一次大戦勃発直前までに製作されたクルマを指す。

 フロントエンジン/リアドライブや丸型のステアリングホイールなど、現代に至る自動車の基本レイアウトが確立された時期のモデルである。スポーツカーという概念が史上初めて登場したのもこの時期のことだ。

 また、とくにアメリカでは「ブラスカー(Brass Car)」と呼ばれるように、ボディ内外に真鍮製のパーツを大量装着するのも大きな特徴といえるだろう。

●代表的モデル
・1906年−1925年:ロールス・ロイス「40/50HPシルヴァーゴースト」
 創成期の自動車に「クォリティ」という概念を初めて構築したことから、ロールス・ロイスの名を「The Best Car in the World」なる称号とともに世界に知らしめた、傑作中の傑作。エドワーディアン期を代表する存在であるとともに、自動車史上初の「名車」ともいわれている。

・1910年−1923年:ブガッティ「T13ブレシア」
 ブガッティが自身のブランドとして、初めて製作・販売したモデル。「小型スポーツカー」という概念についても、世界で初めて構築した傑作車として知られている。

●1919年−1930年:ヴィンテージ

ヴィンテージ:ベントレー「41/2リッター」

 自動車、とくにスポーツカーにとって初めての黄金時代となった「ヴィンテージ」期には、ヨーロッパ各国で魅力溢れるスポーツカーが百花繚乱のごとく現われた。

 仏「ル・マン24時間」や伊「ミッレ・ミリア」などの世界的ビッグレースが誕生したこの時期には、スーパーチャージャーに代表されるグランプリレース直系の先進技術が生産車にも投入される一方、それらレース仕込みのスポーツカーたちがモータースポーツの現場で大活躍したのだ。

 また、ボディデザインの分野でも機能美という考え方が登場し、スパルタンだが美しいクルマたちが続出した。

●代表的モデル
・1924年−1930年:ブガッティ「T35」
 ヴィンテージ・スポーツカーの象徴的存在がブガッティT35。レースの成果はもちろん、自動車に「美」という概念を初めてもたらしたことから、のちの世のクルマたちに多大な影響を与えた。

・1927年−1930年:ベントレー「41/2リッター」
 英国製ヴィンテージ代表格にしてブガッティの宿敵と称された、開祖W.O.時代のベントレー。ル・マン5勝を獲得したパフォーマンスや、雄々しく野趣溢れるスタイルは、まさにヴィンテージ的といえるだろう。

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