1年中装着可能な「オールシーズンタイヤ」は万能タイヤ!? スタッドレスとの違いとは?

昨シーズンあたりから国産タイヤメーカーも続々と参入し、いまではタイヤショップやカー用品店では常時店頭に並んでいるようになったのが「オールシーズンタイヤ」だ。その名のとおり春夏秋のドライ・ウエット路面、そして冬のスノー路面と、四季をとおして装着できるタイヤだが、どんな特徴があるのだろうか。あらためて紹介してみたい。

国産タイヤメーカーが続々とオールシーズンタイヤを日本で展開する理由とは?

 オールシーズンタイヤは、数年前まではグッドイヤーの乗用車用「ベクターフォーシーズンズ」やSUV用「アシュアランスウェザーレディ」ミシュラン「クロスクライメート」など、いわゆる海外タイヤブランドしか日本で展開していなかった。

 昨シーズンよりダンロップ(住友ゴム)「オールシーズンMAXX AS1」やTOYO TIREのSUV用「セルシアス」、そしてヨコハマ「ブルーアース4S AW21」が登場し、注目が集まってきた。つまり業界最大手のブリヂストン以外、主だった国産タイヤメーカーは現在オールシーズンタイヤをラインナップしている。

冬のスノー路面も難なく走行することができるのがオールシーズンタイヤの特徴だ。写真はTOYO TIREのオールシーズンタイヤ「セルシアス」

 なぜ、ここにきて国産タイヤメーカーがオールシーズンタイヤを国内で販売するようになったのだろうか。

 ひとつには、都会に住むユーザーからの要望がある。非降雪地域のマンションに住むユーザーの場合、履きかえたタイヤの置き場に困る人も多い。そうした利便性から、オールシーズンタイヤに対するニーズが年々増えているのだ。

 さらに道路インフラが整ったこともあり、非降雪地域の高速道路は真冬でもドライ路面のことが多いのも、ニーズに拍車をかけている理由だろう。

 じつは日本の道路事情は世界から見ても特殊な環境のため、国産タイヤメーカーがオールシーズンタイヤの国内導入をいままで躊躇してきたという側面もある。

 オールシーズンタイヤは現在、ヨーロッパを中心に販売されているが、欧州のリプレイスタイヤ(履き換え用タイヤ)市場では、すでに10%を超える占有率になっている。また年々、その販売本数が増えているという。

 日本のタイヤメーカーも、もちろんヨーロッパでは展開しているため、日本でオールシーズンタイヤを展開するにあたり、ゼロから企画/開発をスタートする必要はなかったのだ。

 現在は、まだサイズバリエーションも限られているオールシーズンタイヤだが、ヨーロッパ市場では各社が多くのサイズを保有している。同様の理由で、今後日本市場においてサイズ拡充することも難しいことではないのだ。

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 では、四季をとおして装着することができるオールシーズンタイヤは、いわゆる「万能タイヤ」なのだろうか。

 たしかにドライやウエット路面では、サマータイヤと変わらない性能を持ち、スノー路面でもスタッドレスタイヤと遜色ない走行性能を持つが、苦手とする路面がある。それがアイス路面だ。

 北海道や東北という降雪地域の大都市には、交差点や日陰にアイスバーンと呼ばれる氷の路面ができてしまう。このアイス路面で安全確実に、短い制動距離で止まることを第一の目的として、長年進化し続けてきたのがスタッドレスタイヤになる。

 交差点がアイスバーンになっているような場所に住む、降雪地域に住むユーザーは、冬季はスタッドレスタイヤを装着しないと安心して運転することはできない。

 また都会でも、一度雪が降ると、何日も除雪されずにアイスバーンになっている道が各地にあるため、自分の住む近所にそういう道があるユーザー、とくに坂の多い地域に住んでいる場合は、スタッドレスタイヤを選ぶほうが賢明だ。

 ではオールシーズンタイヤは都会派向けのタイヤなのかといえばそういうことでもなく、降雪地域に住むユーザーはサマータイヤの代わりにオールシーズンタイヤを装着する、という使い方が考えられる。そうしたことで、春先、タイヤを履き替え後に突然降る雪に対しても安全に走行できる。

 スタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤも、けっして万能タイヤというわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分のカーライフにあわせて選ぶことをオススメする。

Gallery:流行の兆し!? 各社のオールシーズンタイヤを画像で見る(23枚)