【大人の極旅・前編】江之浦測候所で、スカイラインのドライビングについて考える

小田原に江之浦測候所という美術品鑑賞のためのギャラリーや茶室、庭園などから構成される施設がある。最新の日産スカイラインで、この江之浦測候所を訪れた。

運転する楽しさの純度をあげるスカイライン

 目の前に、視界に収まりきらない水平線が広がっている。斜面を伝って吹いてくる海陸風が身体を揺さぶる。現実の水平線が、海が、実際にここに〈ある〉。このリアルに〈己〉が〈体験〉する〈海〉以上の〈海〉は実存しない。ガラスと大谷石で構成された矩形の建物の先端に立って五感で感じる〈海〉こそが、自分にとっての本物の〈海〉であり〈水平線〉なのだ。

100メートルギャラリーの先で、実際に自分の目で見た水平線。これこそ、リアルだ

 この境地に達するための装置が、100メートルを歩きながら鑑賞した、7つのモノクロームプリントの『海景』である。杉本博司の感性で切り取られた〈水平線〉によって鑑賞者は心を揺さぶられ、触発され、そして〈己〉の眼で最後に自分の〈水平線〉を切り取る。自分だけの『海景』を心の目で見るのだ。
 
 御殿場から小田原までの道のりで、スカイラインが見せてくれたのは、スカイラインの(というより日産の)理想とするドライビングプレジャーだった。路面からの情報を選り分け、常に車両の挙動を最適化することで、純度の高いドライビングプレジャーを運転する者に見せてくれていたのだ。
 
 そもそもリアルなロードインフォーメーションとは何なのか。クルマという媒介を通じてドライバーにもたらされるロードインフォメーションは、最初から100%そのままの路面状況をドライバーに伝えるものではない。それは、カメラのレンズを通して切り取った『海景』が、カリブ海やエーゲ海などのすべてを語っていないのと同じだ。
 
 『海景』の作品は杉本博司の眼によって、それぞれの〈水平線〉が表現されている。そしてその表現は、あくまでも杉本博司の感性によって純度が高められている。それをどのように受け止め、自分の中で昇華させるかは、鑑賞者に委ねられる。それが現代美術でもある。

 これと同じことがスカイラインに当て嵌まることに、小田原の海を見たときに気がついたのだ。

●目指すものは、プレミアム・スポーツセダン

100メートルギャラリーの先は、バルコニーとなっている

 スカイラインが目指したのは、「プレミアム・スポーツセダン」。だからこそスカイラインは、純粋にドライビングの愉しさをもたらしてくれるだけでなく、余計なノイズを遮断し、ドライビングによるストレスを最小限に抑える味付けに振ってあるのだろう。

 そしてスカイラインは、走りの日産が理想とするドライビングを、純度高く実現したセダンでもある。ハンズオフでの運転を可能とする先進運転支援技術「プロパイロット2.0」ばかりがフューチャーされるが、スカイラインを求める人にとってもっとも大切なのは、実はほかにもある。
 
 運転することでどれだけのプレジャーを得られるか。

 スカイラインは、目の前に続くいつもの道さえも、走る歓びに満ちたドライビング体験のステージに変えてくれる装置。そして最高のドライビングプレジャーが待つ世界へと運転者をいざなってくれる。ただし、その先にある人生のプレジャーを見つけるのは、ドライバーであるあなた自身だ。

運転するだけでなく、持つ喜びも戻ってきたスカイライン

●日産スカイラインGT Type SP HYBRID(2WD)
・車両価格(消費税込):616万円
・全長:4810mm
・全幅:1820mm
・全高:1440mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:1840kg
・エンジン形式:V型6気筒DOHC
・排気量:3498cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・モーター:交流同期発電機
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:7速AT
・最高出力(エンジン):306馬力/6800rpm
・最大トルク(エンジン):350Nm/5000rpm
・最高出力(モーター):68馬力
・最大トルク(モーター):290Nm
・公称燃費(WLTC):14.4km/L
・サスペンション:(前)独立懸架ダブルウィッシュボーン式、(後)独立懸架マルチリンク式
・ブレーキ:(前・後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前・後)245/40RF19

100mギャラリーと同じく江之浦測候所の見どころのひとつ、光学硝子舞台

江之浦測候所
所在地:神奈川県小田原市江之浦362番地1
TEL:0465-42-9170(代表)
見学時間:1日2回/午前の部(10時〜13時)、午後の部(13時30分〜16時30分)
休館日:火曜日、水曜日、年末年始および臨時休館日
入館料(税別):3000円(インターネット事前購入)、3500円(当日券)
※当日券は、来館当日の午前9時より電話に要予約。入館料の支払いは、来館後、受付にて(現金、クレジットカード、電子マネーの利用が可能)

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