VAGUE(ヴァーグ)

因縁の対決に終止符!! 「カウンタック」vs「BB」、オークションで決着をつける!

スーパーカーブーム時代から続くライバルをオークションで対決

 1970年代中盤に日本を熱狂させたスーパーカー・ブームといえば、その時の主役はフェラーリ「512BB」と、あえて当時のままの表記とするならばランボルギーニ「カウンタック」の両車であったように思う。

 そのいずれもがアピールしていたのは、当時の日本では想像することすらできない最高速とそれを可能にする高性能なエンジン、そして前衛的な美しさにほかならなかった。

 スーパーカー・ファンがBB派とカウンタック派に分かれ、いつ尽きるとも分からぬ話に熱狂していた時代は、今も懐かしい。

  • カウンタックはアップデートを重ねる度にエアロパーツなどが装着されていき、派手になっていく傾向にあった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 その時代の再来のようなオークションが、RMサザビーズ社の「ザ・ヨーロピアン・セール・フューチャリング・ザ・プティジャン・コレクション」で実現した。

 ちなみにこのオークションに出品されたBBは、1974年式の「365GT4BB」と1977年式の「512BB」、そして1984年式の「512BBi」のBBの全世代を網羅する3台。

 一方のカウンタックは、1979年式の「LP400S」と1984年式の「LP500S」に加えて、レプリカながら、あたかも芸術品の如きスペースフレームまでが出品されている。

 同年代にフェラーリとランボルギーニを支えたフラッグシップモデル。現在の市場での評価や人気は、このオークションである程度、その傾向はつかめそうだ。

 最初にステージに姿を現したのは、ロット・ナンバー177のカウンタックLP400S。カウンタックとはイタリアのピエモンテ地方の方言で、驚きを意味する言葉であるとはよく知られるところだが、RMサザビーズはそれを、ピエモンテの男性が美しい女性に視線を送るために使用されるフレーズなのだと説明。

 確かに、かのマルチェロ・ガンディーニによる流麗なエクステリアデザインを見れば、そのような粋な解釈も間違いではないと思える。

 走行距離はわずかに1万3800km。33年間をドイツの元F1ドライバー、マルセル・プチジャンが所有するプチジャン・コレクションで過ごしたLP400Sのコンディションは素晴らしく、それがLP400Sの中でも50台のみが生産されたファーストモデルであるという価値を考えても落札価格が相当な高値になることは十分予想された。

 実際の落札価格は45万1000ユーロ(約5500万円)。ただしメカニカルなパートは、これまでほとんど走行していなかったためメンテナンスが必要。あくまでもコンディションの素晴らしいレストアのベース車と考えるのが妥当なところだろうか。

 もう一方の1984年式LP500Sは、ロット・ナンバー375で登場した。搭載エンジンをそれまでの4リッターから5リッターにまで拡大したことが、もっとも大きなトピックスだ。

 このモデルは新車でのデリバリーから、わずかに1万4814kmの走行距離が刻まれたもの。ファイバーグラスのホイールフレアーは15インチ径のタイヤを収め、さらにカウンタックらしい精悍な外観を演出する。生産台数は323台と記録されている。

 落札価格は29万7000ユーロ(約3600万円)。落札者としてもまずは満足できる価格だったに違いない。ちなみにスペースフレームのレプリカは1万500ユーロ(約126万円)。熱狂的なランボルギーニのファンならば、十分に触手が動く値段での落札といえた。

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