進化ではなく変化した、ポルシェ「718 ケイマン/ボクスターGTS 4.0」

ポルシェ「718ケイマン/ボクスター」に、モータースポーツテクノロジーを盛り込み、しかも高い実用性を備えたモデル「GTS」がラインナップ。さっそくポルトガル・リスボンで試乗をおこなった竹花寿美による最新レポートをお届けしよう。

これまでのGTSとは、一線を画した最新のGTS

 ポルシェのミドシップ・スポーツカーである「718ケイマン/ボクスター」に、新たに4リッター水平対向6気筒エンジンを搭載したGTS 4.0が設定された。
 
 ポルシェジャパンでは、すでに2020年2月14日から受注開始となっているが、2020年夏前に予定されている日本上陸に先駆けて、ポルトガル・リスボンでおこなわれた国際試乗会において、その走りを体験することが出来た。

リスボン郊外のエストリル・サーキットを起点として、718ボクスターGTS 4.0を一般道で試乗

 718ケイマン/ボクスターのGTSバージョンは、まだ車名に「718」が付く以前のタイプ981/981cに、2014年に設定されたのが最初。2016年に現行の718ケイマン/ボクスター(タイプ982/982c)にバトンタッチしてからも、2018年に追加されている。

 この「GTS」というネーミングは、「グランツーリスモスポーツ」を意味し、この名を冠した最初の市販モデルは、1963年に登場した904カレラGTSと半世紀以上も遡る。その位置づけは、各モデルともトップパフォーマンス・バージョンのすぐ下で、「モータースポーツのテクノロジーを盛り込みつつ高い実用性も兼ね備えたモデル」となっている。

 今回の718ケイマン/ボクスターGTS 4.0も、昨年登場した718ケイマンGT4/ボクスター・スパイダーに次ぐスポーティネスを備えたモデルに位置づけられている。だが従来のGTSバージョンとは、その内容が大きく異なる。単なる進化版ではないのだ。

 最大の違いは、冒頭にも書いてあるとおり、その心臓だ。従来のGTSは、最高出力365馬力の2.5リッター水平対向4気筒ターボを積んでいたが、今回のGTS 4.0は、自然吸気の4.0リッター水平対向6気筒エンジンを搭載しているのである。
 
 このエンジンは718ケイマンGT4/ボクスター・スパイダーにも搭載している新世代ユニットのデチューン版で、スペックは最高出力400馬力/7000rpm、最大トルク420Nm/5000〜6500rpmと、GT4/スパイダーより20馬力抑えられているが、従来のGTSからは35馬力ものパワーアップを果たしている。

 組み合わされるトランスミッションは、現時点では6速MTのみで、2020年末頃には7速PDKも用意される予定である。パフォーマンスは、0−100km/h加速が4.5秒、最高速度は293km/hと、こちらもGT4/スパイダーには及ばないが、従来のGTSより0.1秒と3km/h、ケイマンS/ボクスターSと比較すれば、0.4秒と8km/hも向上。つまりGTS 4.0は、これまでのGTSよりも、さらに上に位置づけられたモデルなのだ。

エストリル・サーキットでは、718ケイマンGTS 4.0を試乗

 ルックスも従来のGTSよりスポーティに仕立てられている。20mmのローダウンとなるPASMスポーツシャシーや、ヘッドライト&リアコンビランプ、前後の専用バンパー、20インチの専用アルミホイールなどがブラック基調とされ、専用メーターパネルやアルカンターラのスポーツステアリング、ブラック基調の専用インテリア・パッケージなどを採用するのは、従来からGTSモデルの特徴だが、ブラックのマフラーエンドを持つエグゾーストシステムが従来のセンター2本出しから、左右セパレートとされ、よりパワフルなリアビューを手に入れている。

Gallery:【画像】ポルシェ「718ケイマン/ボクスター」の詳細(23枚)