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レクサス、そしてランボルギーニまで!高級車ブランドが船に進出しなければならないシビアな理由

意外と関係の深い、クルマと「海」

 現地時間6月29日、伊ランボルギーニは「テクノマール・フォー・ランボルギーニ 63」をワールドプレミアした。

  • ランボルギーニのスーパーヨット「テクノマール・フォー・ランボルギーニ 63」

 しかしこちらのニューモデル、スーパーカーではない。ランボルギーニはランボルギーニでも「スーパーヨット」だ。

 テクノマール・フォー・ランボルギーニ63は、イタリアの高級ヨットメーカーであるイタリアン・シー・グループとランボルギーニのコラボレーションによって登場したヨット。

 ランボルギーニが創立された「1963年」を意識しつつ、そのデザインは2019年に発表されたランボルギーニ初のハイブリッドスーパースポーツである「シアン FKP37」から着想を得ているという。

 実際に、テクノマール・フォー・ランボルギーニ 63のデザインを見ると、サイドのボディラインを彩るエッジや、バックビュー、そしてコックピットの造形に、ランボルギーニらしさを見ることができる。

 高級車ブランドがヨットを発表した例は以前にもあった。最近では、2019年9月にレクサスがラグジュアリーヨットの「LY450」をワールドプレミアしている。こちらも、クルマとヨットという違いはあれど、先進的なデザインと日本のおもてなしの思想を融合した、レクサスらしさを感じるモデルだ。

 さらに、2016年にはメルセデス・ベンツやアストンマーティンからもモーターボートが発表されている。競技用のパワーボートではあるが、2007年にはフェラーリも「F430」のエンジンを搭載したボートで、水上での世界最速記録をマークしている。

 では、なぜ高級車ブランドが次々と「海」に進出するのだろうか? その前提となるのは、自動車業界と船舶業界の関係の深さだろう。

 クルマを構成するもっとも重要な要素のひとつは、いうまでもなくエンジンだが、より高効率なエンジンを開発・生産できるかどうかが、自動車メーカーの技術がもっとも発揮される場所であるといわれている。

 当然、自動車用エンジンのノウハウは船舶用エンジンにも活用可能で、実際にホンダ、スズキなどが船舶用エンジン(船外機)の開発・生産もおこなっており、ヤマハ発動機も含めた日系3社が世界の船外機の60%以上のシェアを持っている。さらに、トヨタの関連会社であるトヨタマリンからはプレジャーボートそのものも販売されており、「ポーナム」シリーズは日本ボート・オブ・ザ・イヤーの常連となっている。

 しかし、今回のテクノマール・フォー・ランボルギーニ 63では、ランボルギーニ製のエンジンが採用されているわけではない。上述のレクサス LY650にも、レクサス(トヨタ)製ではなく、ボルボ製のエンジンが搭載されているのだ。

 どちらも、ランボルギーニやレクサスがおもに企画・デザインを担当し、生産はおこなわない。したがって、近年のラグジュアリーブランドによる「海」への進出には、これまでとは異なる事情があるようだ。

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