BMWのロゴはプロペラじゃない! 走りにこだわる独プレミアムブランドの歴史とは?

BMWの設立は1916年だから、いまから104年前のことになる。もともとは航空機エンジンメーカー「BFW」からスタートしたが、翌年1917年にBMWとなり、いまに至っている。日本ではドイツ・プレミアムスリーの一角として、長年愛されているブランドだ。そんなBMWの歴史をまとめてみた。

経営不振から立ち直った1962年「ノイエクラッセ」のヒット

 BMWの歴史は、1916年に航空機エンジンメーカーとして設立したバイエリッシェ・フルークツォイク・ヴェルケ株式会社(BFW AG)から始まる。

 翌1917年に、バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ株式会社(BMW AG)に社名変更した。BMW AGを直訳すると「バイエルン地方のエンジン工場株式会社」である。BMWはあくまでも略称で、ドイツの車検証を見ると、フルネームで会社名が書かれている。

 いまにつながるBMWのロゴマークは、1917年に商標登録された。その時代によって、マークのなかのBMWの字体が変化したり、3D風になったりと小変更を受けている。最新のものは、外側のドーナツ部分は透けて背景の色が見えるようになった。

 ロゴマークのなかの十文字は、対角線上に青と白の色が配置されているが、バイエルンの青い空と白い雲に飛行機のプロペラが回っていると長く言い伝えられてきた。しかし2019年に、プロペラではないとBMWから正式に発表された。

1961年に登場したBMW「1500」。これがヒットし、BMWは倒産の危機を免れた。ノイエ・クラッセ(新しいクラス)という社内での呼称がそのままこのモデルの愛称になった

 バイエルンの紋章の中央に青と白のチェッカー模様があるが、これはバイエルン全体を象徴するもので、BMWのロゴマークもここから来ている。じつはバイエルン州旗から取ったという説もあるが、チェッカーの州旗が採用されたのは1953年だから、BMWのロゴマークの方が古いのでそれは間違いだとわかる。

 BMWのBの下がブルーで、Wの下がホワイト、真ん中がミドルと覚えると、青(Blue)と白(White)の場所もわかるだろう。

 BMWは第2次世界対戦後の1959年、V8エンジンを搭載した大型高級車の販売台数が伸びず、経営不振に陥った。

 このときダイムラー・ベンツとの合併計画が持ち上がったが、調印の直前に投資家のクヴァント家が「こんなに楽しいクルマをつくる会社は残さなくてはいけない」と合併の話はなくなった。それ以降、クヴァント家が50%を軽く超えるBMWの株を維持している。

 つまらないクルマをつくると、BMWの社長以下ボードメンバーは大株主から首にされてしまうので、配当のために利益を確保することと同時に、乗って楽しいクルマをつくることに力を注いている。

 社長も含めたボードメンバーは、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)を正しく走れないと、プロダクトに口出ししてはいけないというルールがある。またクヴァント家はモノを言う株主としてBMWに永く君臨している。クヴァント家の人たちもBMWに就職しているが、名前を変えて働いているので社員にはわからないという。

 1962年に登場したノイエクラッセ(新しいクラス)と呼ばれたBMW「1500」がヒットしたのがきっかけとなり、BMWは経営不振から復活した。

1929年のBMWポスター。こういったところからも「BMWロゴ=プロペラ」が都市伝説のように長い間ささやかれてきた

 その後ノイエクラッセは「5シリーズ」になり、それよりコンパクトな「3シリーズ」も生まれた。そして「1シリーズ」「6シリーズ」「7シリーズ」も登場してフルラインナップ化していった。

Gallery:【画像】BMWの壮大な歴史を見る(25枚)