マセラティのスーパースポーツ「MC20」には、「モス」のサインが入っている!?

マセラティの新型スーパースポーツ「MC20」の全容が、また少し判明した。2020年4月12日に他界したスターリング・モス卿に捧げられるMC20について、新たな情報をお届けしよう。

MC20のデザインモチーフは、エルドラドだった!

 マセラティは、新型のスーパースポーツカーであるマセラティ「MC20」のプロトタイプを3月5日に続く第2弾として公開した。

 2020年4月12日に90歳でこの世を去ったスターリング・モス卿に敬意を表して、モスとともにレース界で活躍をした2台のマセラティ、「エルドラド」および「250F」とともにMC20のプロトタイプが写真に収められている。

マセラティの新型スーパースポーツ「MC20」は、往年のエルドラドがモチーフとなっており、スターリング・モス卿に敬意を表して、エルドラドに描かれたモス卿のサインと同じものがMC20のカモフラージュされたボディに入っている

 マセラティ・エルドラドは、1958年のモンツァでデビューしたシングルシーターのレーシングカーで、MC20のプロトタイプは、このモデルをデザインモチーフとしている。

 エルドラドとは、アイスクリームメーカーの名前だ。それまでのモータースポーツは国際自動車連盟が割り当てたナショナルカラーでカラーリングされていたが、エルドラドはパートナー企業のカラーリングを施し、現代のモータースポーツの先駆的な存在としても有名だ。

 そして、もう1台のマセラティ250Fは、1956年5月13日に開催されたF1モナコ・グランプリにおいて、モスがポール・トゥ・ウィンで勝利を飾ったマシンである。

 また、同じく250Fを駆るフランス人ドライバーのジャン・ベーラが、3位入賞も果たしている。

 モスはF1ワールドチャンピオンシップにおいて66のグランプリに参戦、16勝を挙げ、4度の2位、3度の3位と世界王者にもっとも近いながらもタイトル獲得が叶わなかった「無冠の帝王」であった。

 1956年シーズンおよび1957年のいくつかのレースでは、後年に彼が「お気に入りのマシン」として語っているマセラティ250Fを駆り、ファン・マヌエル・ファンジオだけに敗れている。

 そのファンジオは、250Fで1957年の世界タイトルを獲得しており、マセラティのマシンの信頼性と優位性が示されたシーズンであった。

 そんな、世界のモータースポーツ史に名を残す偉大な人物の一人であり、マセラティのレース史のなかでもっとも輝かしい歴史を刻んだ人物の一人であるスターリング・モス卿へのオマージュとして、MC20のボディにスターリング・モスの「サイン」が記されることになった。

 このサインは、MC20の前後左右フェンダー、リアバンパー、リアのエンジンフードに記されており、エルドラドのボディにペイントされたスターリング・モスのサインがそっくりそのまま再現されている。

 MC20の登場は、モデナを拠とするマセラティにとって非常に重要な意味を持っている。

 なぜなら、2010年に「MC12」でGT1世界選手権を制して以来のレース界へのカムバックというだけでなく、マセラティが100%自社設計・開発・生産をする新しいエンジンを初めて採用するマシンだからだ。

 スターリング・モス卿へのオマージュとしてMC20のプロトタイプが選ばれたのは偶然ではなく、このモデルを通じてマセラティは、改めてそのスポーツ性をアピールする目的がある。

 もし、スターリング・モス卿がこの新しいマセラティを体現したMC20をドライブしたとすれば、きっと「お気に入りの一台」として選んだに違いないだろう。

Gallery:【画像】マセラティの新スーパースポーツ「MC20」とそのオマージュを見る!(21枚)