2021年に日本再上陸決定! ドイツの自動車ブランド「オペル」の勝算とは

「ヴィータ」「オメガ」など、かつてヒットを飛ばしたオペルが日本市場から撤退したのは2006年。あれから15年、2021年にオペルブランドが日本に再上陸する。そもそもオペルとはどんなブランドなのか。オペルに勝算はあるのか。

オペルの属する「グループPSA」とは

 オペルとGMとの関係は、はるか90年ほども前の1929年から続いていたが、2017年にオペルはGMとの関係を断ち切り、グループPSAに参加することになる。

 グループPSAとは、プジョーとシトロエン、DSの3ブランドを発売するフランスの自動車メーカーだ。ここにオペルが加わることで、欧州におけるシェアはフォルクスワーゲングループに次ぐ2位となった。

 さらにグループPSAは、2019年の暮れにFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)との合併にも合意しており、将来的には生産台数870万台、世界シェア4位になる予定だ。そうした、グループPSA、FCAのなかで、オペルは唯一のドイツ・ブランドということで、技術面などで非常に重要なポジションを担うことになるだろう。

2021年に日本上陸予定の2列シートミニバン、オペル「コンボライフ」

 グループPSAのメンバーになったオペルは、合流後に経営計画となるPACE!を発表している。

 内容は多岐に渡るが、注目点は「2020年代の半ばまでに、欧州以外の市場での販売台数を10%にする」とある。逆にいえば、オペルはほとんど欧州市場だけで戦っていたブランドであったのだ。

 この計画に沿ってオペルは、アジア、アフリカ、南米での存在感強化に努めるという。さらに2022年までに新たに20の市場への参入が謳われている。その計画があるからこそ、日本への再参入が決まったのだろう。ちなみに、日本以外にもロシア市場への再参入、コロンビアとエクアドルへの市場参入もおこなうという。

 また、経営計画PACE!では、電動化の推進も謳われており、2024年までには完全な電動化をおこないたいという。その具体例として挙げられるのが、2019年にフルモデルチェンジした「コルサ」だ。Bセグメントのコンパクトカーであるコルサには、純粋な電気自動車仕様の「コルサe」が用意されており、グループPSAのなかでも電動化の急先鋒といえる存在だ。

 そして2021年に日本に導入されるのが、そのコルサと「コンボライフ」、そして「グランドランドX」の3モデルだ。

 コルサは、1995年に「ヴィータ」の名で大ヒットを記録したコンパクトカー。しかも、今回は、電動化モデルの導入もアナウンスされている。当然、電気自動車のコルサeも発売されるだろう。ちなみにコルサの欧州での価格は1万3990ユーロ(約160万円)から。コルサeは2万9900ユーロ(約350万円)となっている。

 コンボライフは、スライドドアを備えるコンパクトなミニバンだ。2018年に誕生した現行モデルの現地価格は1万9995ユーロ(約230万)から。またグランドランドXは、CセグメントSUV。こちらの現地価格は2万3700ユーロ(約265万円)から。グランドランドXにはプラグインハイブリッド版も導入が予定されているという。

 2021年に日本への導入が予定されているのは、コンパクトなハッチバック、スライドドアのミニバン、そしてコンパクトSUVだ。これらはどれも日本車でも人気のジャンルばかり。しかも、どのモデルも欧州での販売価格を見ると、日本車と遜色ないレベル。ドイツのプレミアム・ブランドとは異なる価格帯で、日本に再参入することは間違いないだろう。

 つまり、再参入するオペルの強みは1990年代の時と同じくコストパフォーマンスだ。

 ドイツ車ならではの高速走行性能を備えつつも、他のドイツ車とは違うリーズナブルさがある。グループPSAへの合流もあり、生産コストは大幅に圧縮されている。今後は、車種アーキテクチャーを9つから2つまで減らす計画さえもあるという。

 ただし、1990年代から2000年代初頭のオペルは、品質面での不満もあった。それが2006年の撤退の理由のひとつとなっている。今度の再参入では、そこをクリアしつつ、しかもリーズナブル。それを実現できれば、オペルの日本での足場も固まるのではなかろうか。すべては品質にかかっている。

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