「空気圧は規定より高めが良いの?」 高速走行前に「高めに入れておきますね」の声がけも 最適な空気圧は?

長期連休には高速道路を利用する人も多いでしょう。高速道路を走行する際「タイヤの空気圧は高めが良い」という風潮がありますが、実際にはどうなのでしょうか。

クルマのタイヤ、高速道路を走るときの空気圧は?

 もうすぐゴールデンウィークを迎えますが、長期連休には高速道路を利用する人も多いでしょう。
 
 そうしたなかで、気にしておきたいのが「タイヤの点検」です。高速道路を走行する際「タイヤの空気圧は高めが良い」という風潮がありますが、実際にはどうなのでしょうか。

高速道路を走行する前に「空気圧を高め」したほうがいいの? 真相は?
高速道路を走行する前に「空気圧を高め」したほうがいいの? 真相は?

 タイヤはクルマにとって非常に重要なパーツのひとつです。タイヤの状態によって走行時の安全性も大きく異なるため、常に適切な状態を保つために日常的な点検が必要です。

 タイヤメーカーのブリヂストンによると、日常的なタイヤ点検には「空気圧は適正か」「ミゾはじゅうぶんに残っているか」「偏摩耗していないか」「傷はないか」「ひび割れしていないか」「サイドが膨らんでいないか」の6つが重要項目だといいます。

 さらに、道路運送車両法第47条には「使用者の点検及び整備の義務」が定められており、タイヤの点検は安全な走行を実現するうえでクルマの使用者の義務となっています。

 そんなタイヤですが、ガソリンスタンドで空気圧の点検をおこなうと、「高速道路には乗られますか?」「空気圧高めに入れておきますね」と声がけされることもあります。

 以前から、「高速道路を走行する際、タイヤの空気は高めにしたほうがいい」といういわれていますが、実際にその考え方は正しいのでしょうか。

 某タイヤメーカーの担当者は、高速道路走行時のタイヤの空気圧について以下のように話します。

「当社としましては、高速道路を走行するからといって、空気圧を高めに設定したほうが良いとはアナウンスしておりません。

 基本的に、一般道路・高速道路ともにそうですが、タイヤはどうしても『自然空気漏れ』で空気圧が減るものとなっています。

 そのため、『自然空気漏れを考慮し、車両指定空気圧を基準に、0-20kPa高めに空気を入れて使用してください』という風にご案内しております」

 さらに、カー用品販売店の担当者も「高速道路を走る際空気圧を高めに設定した方がいいと、お伝えすることはありません」と説明します。

 ただし、「高速道路に乗るから」と空気圧を確認しに来るユーザーは多いようで、「その際、空気漏れも考慮して、『基準値より少し高めに入れておきますね』と案内することがあるので、それと相まって、『高速道路を走るときは空気圧を高めに』という認識が生まれたのかもしれません」(カー用品販売店の担当者)といいます。

 タイヤはゴム素材でできているため、「自然空気漏れ」として、ゴムを通して徐々に空気が漏れてしまいます。

 これは空気が入った風船を放置すると、いつの間にか空気が抜けてしまっているのと同じ現象です。

 JATMA(日本自動車タイヤ協会)の調査によると、タイヤの空気が減少する原因でもっとも多いのが自然空気漏れで、1か月で5%から10%も空気圧が低下しています。

 前出のカー用品店担当者も話すように、このように慢性的におきる自然空気漏れを考慮して、「空気圧を高めに」という風潮が広がったのかもしれません。

 なお、空気圧チェックの際の注意について、カー用品販売店担当者は、「低扁平のタイヤは、見た目だと空気圧が減っていても分かりにくく、もし空気圧が減っていた場合、段差などの衝撃が受け止められずホイールにダメージが入ってしまうため、通常タイヤよりも気を付けて確認するのが良いかもしれません」といいます。

 また、前出のタイヤメーカー担当者は、空気圧のチェックのペースについて「空気圧もそうですが、月に一度、タイヤの点検をすることをお勧めしています。また、高速道路に乗る前に空気圧が正常か確認して乗っていただければ安全だと思います」と話し、定期的な確認を求めています。

 なお、クルマによって異なる指定空気圧は、運転席側のドア付近に記載されているため、その表記を確認して空気圧をチェックしましょう。

※ ※ ※

 現在、タイヤの価格は原材料費や輸入費の高騰により、2022年4月から一部のタイヤにて値上げが始まっています。

 それによって「値上げ前に…」と、タイヤの需要が高まり、一部の販売店などでは在庫切れが起きているようです。

 ゴールデンウィークに出かける予定のある人は、空気圧はもちろんのこと、ミゾやひび割れなどの点検を早めにおこない、問題があった場合は交換するなど、対策を講じるようにしましょう。

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2件のコメント

  1. 昔(昭和50年頃まで)は指定空気圧はかなり低く確かに指定空気圧は1.8(高速2.0)なんて指定があった。当時はチューブ入りバイアスタイヤが主流、チューブレスラジアルなんて極一部。ゴム質も悪く道路も今程整備されていなかったから高く出来なかった。今みたいに2.4キロも入れたらタイヤはパンパンになって跳ねまくり、乗り心地なんて最悪だった。それでも一般指定圧では高速でパンクでもしてエア漏れなんかしたら危険だからそれを見越して多めに空気を入れた。要はタイヤがインフラの急激な発展に追い付いていなかったから苦肉の策。今は高速走行なんて日常的な物、タイヤの品質も飛躍的に良くなってるからそんな必要は無くなった。高速だから空気圧云々なんてのはその頃の名残。

  2. 車体の加重配分次第で、標準タイヤ以外ではタイヤの指定圧、荷重限界によって最適なエアー圧は異なる。
    カタログ上でグラフと早見表を示したうえで、最適なセッティングが維持できるような配慮はあった方が良い。

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