トラックの荷台に人を乗せると違反!? 自衛隊トラックがOKな訳とは

働くクルマの代表格といえばトラックです。街でも多くのトラックを見かけますが、特別な場合を除いて、トラックの荷台には乗車してはいけない法律になっています。一方、自衛隊のトラックは隊員を荷台に乗せていますが、それはなぜ許されているのでしょうか。

トラックの荷台は乗車禁止! 特別に許されるケースとは?

 働くクルマの代表格であるトラックは、乗員が乗り込むキャビン部分と大きな荷台部分が別れており、荷台にはたくさんの荷物を積むことができます。

トラックの荷台に人が乗ってはいけない
トラックの荷台に人が乗ってはいけない

 荷台の部分に人が乗っていることを見かけることがありますが、これは違反ではないのでしょうか。

 日本でトラックは「貨物自動車」に分類。普通車でいうシャシだけでなく、エンジンやミッション、タイヤなどを含めた部分がシャシや車台と呼ばれ、乗員が乗る部分をキャブやキャビン、シャシの上に乗る荷台や荷室など貨物専用部分をボディと呼んでいます。

 トラックは、一般ドライバーが普通に荷物を運ぶときに使用する「自家用貨物自動車」と、物流事業や運送用にのみ使用できる「事業用貨物自動車」に分類され、これにサイズや排気量、重量や積載量などでさらに細かく区分されています。

 そしてトラックのボディ部分は貨物専用スペースであり、原則として走行する際に荷台へ人が乗車することは違反になります。これは、幌やカーゴで囲ってあっても同様です。

 しかし、特殊な状況で、走行中の荷台へ乗車が認められています。

 道路交通法第55条では、「車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。ただし、もつぱら貨物を運搬する構造の自動車で貨物を積載しているものにあっては、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる」と記載されています。

 つまり、荷物の見張り役が必要な特殊な状況で、荷物が落下しないように見張りをする必要がある場合は1、2名なら荷台への乗車も可能だということです。

 なお、荷物を積んでいない状態での荷台への乗車は違反になってしまいます。また荷台にはシートベルトが装備されていないので、ドライバーも荷台へ乗車している人も、細心の注意を払う必要があります。

 この場合の荷物とは、ケージに入れた大型犬などのペット、自転車やバイク、カヌー、ボートやサーフボードなどの趣味用品などを指しており、規定の範囲内の大きさと重さである程度しっかり固定できる状態にして、それでも見張りが必要な場合該当するとされています。

 もうひとつの条件として、クルマが出発する地点を管轄している警察署に届けを事前に提出して許可された場合も、荷台への乗車が可能です。

 たとえばイベントやパレードなどをおこなう際、走行ルートや目的、乗員数などを事前申告しておけば、特別に許可を取ることができます。

 これは「荷台乗車許可申請書」を、乗車予定の出発地点を管轄する警察署に事前に提出して許可を取るという流れで、その手続きは、道路などを特別に占有する場合(工事や撮影など)で提出する「道路使用許可申請書」と同じです。

 この申請用紙には「運転者名(名前と免許証番号)」、「車両の種類」や「車両の諸元(長さ・幅・高さ・最大積載量)」「運搬品名」「制限を超える場合の大きさや重量」などのほかに、「荷台に乗せる人員」や「期間」「運転経路(出発地~経由地~目的地)」を記載する必要があります。

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