かつてヒットしたのに生き残れず!? 消えた王道ステーションワゴン5選

SUVに取って代わられたことで、日本だけでなくアメリカでも減少の一途をたどっているのがステーションワゴンです。トヨタは「カローラツーリング」を発売し、スバルは新型「レヴォーグ」の発売が予定されていますが、劇的に人気が回復する兆しは見えてきません。そこで、かつて販売されていた王道のステーションワゴンを、5車種ピックアップして紹介します。

いかにもステーションワゴンといえるモデルを振り返る

 1990年代の始め、ちょっとしたブームとなったステーションワゴン。各メーカーが次々に新型ステーションワゴンを発売するなど、隆盛を誇っていました。

繁栄と凋落を経験したステーションワゴンたち
繁栄と凋落を経験したステーションワゴンたち

 しかし、近年はSUV人気の上昇で、ステーションワゴンのラインナップは激減。

 2019年9月にトヨタ「カローラツーリング」が登場し、2020年11月にはスバル新型「レヴォーグ」が発売予定ですが、減少傾向に歯止めはかかっていません。

 そこで、ヒットした王道のステーションワゴンを、5車種ピックアップして紹介します。

●スバル「レガシィ ツーリングワゴン」

一世を風靡したのに生き残れなかった5代目「レガシィ ツーリングワゴン」
一世を風靡したのに生き残れなかった5代目「レガシィ ツーリングワゴン」

 1980年代の終わり頃、スバルの経営状態は悪化していましたが、1989年に発売されたスバル「レガシィ」によって救われました。

 旧態然としていた「レオーネ」に代わる新世代のステーションワゴン/セダンとしてデビューしたレガシィは大ヒットを記録。

 とくにフルタイム4WDによる道を選ばない走行性能の高さと、オールラウンダーなステーションワゴンの「レガシィ ツーリングワゴン」の存在は、他メーカーにも大きな影響を及ぼし、次々と高性能なステーションワゴンが登場したほどです。

 その後も同様なコンセプトで代を重ねると、レガシィ ツーリングワゴンはスバルの定番車種として、盤石の地位を築きます。

 2009年に登場した5代目では北米市場に主眼を置いたことで、ボディの大型化を図り、室内の広さを強調。

 パワーユニットも進化し、2012年には2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した「2.0GT DIT」が登場します。最高出力は300馬力を誇り、初代からの伝統であるスポーティさに磨きをかけました。

 しかし、レヴォーグの登場によって、レガシィ ツーリングワゴンは2014年に国内販売を終了。一時代を築いたレガシィですが、2020年7月にはセダンの「B4」も国内販売を終了し、現在は「レガシィ アウトバック」のみとなりました。

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●三菱「レグナム」

革新的メカニズムとスタイリッシュなフォルムが印象的な「レグナム」
革新的メカニズムとスタイリッシュなフォルムが印象的な「レグナム」

 三菱「レグナム」は、1996年にセダンの「ギャラン」をベースとしたステーションワゴンとして登場。

 外観は8代目ギャランと同じ意匠の精悍なフロントフェイスと、伸びやかにデザインされたキャビンが特徴的です。

 トップグレードの「VR-4」には、最高出力280馬力を発揮する2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムを組み合わせ、まさにレガシィに対抗するモデルとして開発されました。

 また、世界初となる量産ガソリン直噴エンジンをギャランとともに搭載するなど、技術的にも三菱の意欲作です。

 駆動系にはリアの駆動力配分を電子制御する「AYC(アクティブ・ヨー・コントロール)」を搭載したモデルが設定され、足まわりには4輪マルチリンクサスペンションを採用するなど、走りも充実したステーションワゴンとして高い人気を誇りました。

 しかし、三菱の経営状態の悪化とステーションワゴン人気の下落から、レグナムは2002年に生産を終了。後継車は無く、一代限りで消えてしまいました。

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●トヨタ「クラウンエステート」

シリーズ最後となった高級ステーションワゴンの「クラウンエステート」
シリーズ最後となった高級ステーションワゴンの「クラウンエステート」

 日本を代表するセダンのトヨタ「クラウン」は、1955年に誕生しました。そして、1962年に登場した2代目からステーションワゴンをラインナップします。

 昭和の頃は1車種で複数のボディタイプを設定するのが一般的で、クラウンも4ドアセダンだけでなく、2ドアクーペやステーションワゴン、ライトバンなどが販売され、あらゆるニーズに応えていました。

 その後、ステーションワゴンは1991年発売の9代目まで設定され、1999年には派生車として「クラウンエステート」に車名を変えて登場。

 商用バンとは決別し、プラットフォームは11代目クラウンと共通化され、高級ステーションワゴンとして一新されています。

 先代まであった格納式3列目シートは採用されず5名乗りとし、バリエーションは標準的な「ロイヤルシリーズ」と、スポーティな「アスリートシリーズ」を用意。

 エンジンは2.5リッター、2.5リッターターボ、3リッターの3種で、すべて直列6気筒となり、上質な走りと優れた静粛性を実現しています。

 国内では数少ない高級かつ大型ステーションワゴンとして一定の需要がありましたが、やはりステーションワゴン人気の低迷から販売台数は徐々に低下し、2007年に生産を終了。シリーズ最後のステーションワゴンとなりました。

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