「若者の車離れって本当?」 リアルな声で見えた原因と新しい車との付き合い方とは

「最近の若者はクルマに興味がない」といわれてはや10年近く。現在の若い世代の人たちは、クルマを所有したがらない、そもそもクルマにそれほど興味を示していないともいわれています。果たして若い世代にとって、クルマはどういった存在なのでしょうか。そこで今回は、実際の若者の声を紹介します。

若い世代の約3割がクルマに必要性を感じていない!?

 クルマに関連する話でよく出てくるのが「若者のクルマ離れ」。何年も前から続いているといわれていますが、果たして実際の若者は本当にクルマに対する興味がないのでしょうか。それとも、興味はあるもののただ単に買わないだけなのでしょうか。

最近の若者はクルマに興味がない?
最近の若者はクルマに興味がない?

 まずは、具体的なデータで現状を把握してみます。

 自動車保険大手のソニー損保が毎年実施している「2020年度 新成人のカーライフ意識調査(有効回答1000人)」によると、新成人の56.4%が普通自動車運転免許を取得済みです。ちなみに、AT限定が36.1%で、MT可の普通免許が20.3%という内訳となります。

 また教習所に現在通っている人(AT限定3%、MT可の普通免許0.6%)や、いずれ免許を取得しようと考えている人(22.5%)を含めると、約82.5%の人が免許を取得する計算になります。

 しかし、内閣府が発表する「主要耐久消費財等の普及・保有状況」によると、運転免許保有者のうちの自動車保有率は、29歳以下は57.5%となっていますが、30代の77.6%、40代の79.8%と比べると低い水準です。

 前出の「2020年度 新成人のカーライフ意識調査」によると、クルマを所有しない理由のトップは「購入費用を負担に感じる」(50.9%)や「燃料代や修理費など維持費がかかる」(33.8%)など経済的な問題が上位にランクインする結果です。

 しかし、気になるのが「移動手段が充実しているので、クルマに乗る必要性がない」(31.1%)という部分。これは暗に「日常の必要性以外の部分でクルマが魅力的に感じられない」という側面もあるかもしれません。

 現在の若者は「草食系」と呼ばれ、あまり感情の起伏が少ないともいわれます。30代以上の世代が夢中になった恋愛に対しても、結構クールでドライ。

「必死に働いて背伸びしていいクルマを買って女性にモテたい」なんて意識は、時代遅れになってしまったようです。

 それでも、クルマへの憧れは持ち続けて欲しい世代である筆者(金田ケイスケ)は、現在の若い世代の人々に直接「実際、クルマってどうなの?」という質問を聞いてみました。

 そこで急遽、20代の若い世代にいくつか質問をぶつけてみて、その回答が以下になります。

・「マイカーは欲しいけど、最近のクルマは高過ぎて手が出ない。維持費も高いし」(東京都・R.Kさん・20代男性)
・「家のクルマを共有しているので十分足りている。高級車は修理代も高そうなので、自分で運転したくない」(宮城県・J.Nさん・20代女性)
・「就活に必要かと思い免許を取得。でも電車とか公共の交通機関のほうが時間も見えて便利。駐車場を探すのも大変」(大阪府・A.Nさん・20代女性)

 こういった具合で、否定的な意見も多く聞かれました。やはり「2020年度 新成人のカーライフ意識調査」の通り、1番の理由は経済的な負担が大きいといえそうです。

 また、30代以上の世代にとって、もっとも衝撃的な意見だったのは、恋愛におけるクルマの貢献度が極端に下がってきていることでしょう。

・「クルマはあったら便利だけど、デートには使いにくい。自分が飲めないし、運転も下手だし。いざとなればレンタカーで十分」(東京都・S.Tさん・20代男性)
・「クルマで迎えにきてもらえたら嬉しいけど、なくても大丈夫です。スポーツカーとかは乗るのが恥ずかしい部分もあります」(神奈川県・Y.Sさん・20代女性)
・「デートは電車利用でも大丈夫です。移動中はお互いスマホでいろいろチェックしたいし」(神奈川県・S.Mさん・20代男性)

 もちろん、現在でも頑張って憧れのクルマに乗りたいと考える人もなかにはいて、ひと昔前は高級車やスポーツカーといえばみんなの憧れでしたが、現在の若い世代の人にとってはあまり目立つことを好まない場合も多いようです。

 またスマホ万能の時代にあって、リスクもあるリアルな運転より、自分には被害の及ばない動画で満足してしまう傾向もあると推測できます。

【画像】「若者はマイカーに興味なし」は本当? リアルな声とは(10枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

岩永誠一 へ返信する コメントをキャンセル

4件のコメント

  1. やはりくるまばなれですね
    地方では車は生活必需品です
    若い人は車どころではないってことですよね

  2. 単純にバカ高いだけ。
    30年で給料がほとんど上がなら一方で、車の値段がほぼ2倍近く。
    税金(含む年金、健康保険、NHKのの受信料)が、1970年ごろは収入の25%ぐらいだったものが、じりじりと上がって40%越えで取られているし、さらにガソリン代もじりじりと上がって高くなっている。
    その一方で携帯だ、PCだネットワークに金がかかると、優先順位がどんどんと落ちて行くわな。

  3. 若者を遠ざけたのは君ら業界だろが、団塊世代ばかり追うが故に逃がした魚がでかすぎるんだよ。
    いい加減に芸能や召し抱え評論家の教科書どうりの評論など封印して若者に車を試食してもらえばいいだろうに。
    政と組んで何時まで続くか分からん減税や免税で若者を釣ろうとか考えが甘いんだよ。

  4. お金がないのですよ。
    わかってるんでしょう?

    どの記事もあの手この手で、話を浅く広く、着地点を定めて誘導して。

    それで業界の未来が明るくなるのならばいいんですがね。

    一時的には若者も丸め込まれるかもですが、厳しい現実は小手先ではどうかと思いますね。

    あの人ではないですけど、産みの痛みみたいのが必要かと。

    若者に優しく。
    託す世代が痛みを全身で受け止め。
    身を削いで爪痕残せて引退するのも、カッコいい

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー