スーパーカー少年にとっての「イオタ」、ランボルギーニ「P400SVR」とは?

クラシックカーは、新車当時の姿へと戻す「レストレーション」と、新車当時からの経年変化も含めて当時の姿を維持する「プリザベーション」とがある。2019年の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」に現れた、ため息がでるほど美しいレストレーション車両とプリザベーション車両の見本となるクルマを3台、紹介しよう。

スーパーカー少年の憧れだった「イオタ」はまさしくコレ! イオタ仕様ミウラ「P400SVR」が完全フルレストア

 クラシックカーの美しさやコンディション、あるいはヒストリーを競うクラシックカーイベント「コンクール・デレガンス」。この分野において、イタリアの「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」とともに世界最高峰と称される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」では、アメリカのみならず全世界から最上級のクラシックカーが集結する。

2019年のペブルビーチでのひとこま(撮影:武田公実)
2019年のペブルビーチでのひとこま(撮影:武田公実)

 筆者が訪問した2019年は、29のクラスに分けられた約200台の名車たちが正式招待・出品されたが、その招待枠を得るために応募された車両は、実に1000台以上に及んだとのことである。

 そんな狭き門をくぐってきた名車中の名車たちは、いずれも素晴らしいマスターピースばかりである。

 今回は、そのなかでも筆者を特に魅了してくれた3台の名車をセレクト。ご紹介させていただくことにしよう。

●ランボルギーニ・ミウラP400SVR(1968年)

ペブルビーチに現れたランボルギーニ・ミウラP400SVR(撮影:武田公実)
ペブルビーチに現れたランボルギーニ・ミウラP400SVR(撮影:武田公実)

 2019年のペブルビーチ・コンクールでは、ランボルギーニ本社のレストア部門「ポロストリコ」のバックアップにより、ミウラだけが対象となる「クラスN:ランボルギーニ・ミウラ」が初めて設定された。

 元祖スーパーカーとも称されるスーパースターの人気は万国共通のようで、会場でも常に黒山の人だかりができていた。

 このときエントリーされたミウラは、総計5台。いずれ劣らぬヒストリーの持ち主である。イラン元国王パフラヴィー2世(パーレビ国王)のオーダーによって作られたP400ミウラや、映画『Italian Job(邦題:ミニミニ大作戦)』で美しい快走シーンを披露した、同じくP400ミウラなど、すべてポロストリコでフルレストアされた新車同様のコンディションのミウラばかりであった。

 しかし、われわれ日本人ファンにとってもっとも注目すべき1台といえば、1970年代以来40年以上にわたって日本国内でコレクションされている、ランボルギーニ本社謹製のイオタ仕様ミウラ「P400SVR」に違いないだろう。

 もっとも有名なイオタ仕様ミウラのひとつともいわれるP400SVRは、1968年型のP400ミウラをベースとして、ランボルギーニ本社工房内で1975年に製作されたものである。

 モディファイを依頼したのは、当時スイスにおいてランボルギーニ社の正規代理店を営んでいたヘルベルト・ハーネ氏だった。さらにハーネ氏は、BBS社製アロイホイールやルーフ上のウイングスポイラーなど、現在に至るアップデートをおこなったのち、1976年に日本のさるスペシャリストに譲渡。以来オーナーは代替わりしながらも、ずっと日本に生息している個体である。

 ちなみに、この年の「ランボルギーニ・ミウラ」クラス第1位となったのは、2018年夏にポロストリコから完成がアナウンスされた、1972年型のミウラP400SVであった。

 かつてはプジョー・スポール総監督、そしてスクーデリア・フェラーリでも総監督として同チームのF1黄金時代を率いたのち、現在では国際自動車連盟(FIA)の会長を務めるジャン・トッド氏のもとに収められたミウラである。

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1件のコメント

  1. 当時、周りをシートで囲い、そこに
    2台のスーパーカーを停めて
    ドライバーシートで写真、一枚
    1000円の料金でした。

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