ライバルいない? トヨタ「カローラ」なぜ人気復活 若返りに成功した理由とは

2019年に新型となったカローラが大ヒットしています。50年以上の歴史を持ち、トヨタの伝統車種でもあるカローラは、どのような進化を遂げて現在の人気を獲得したのでしょうか。その概要や人気グレード、オプションについてみていきます。

圧巻のラインナップで幅広い年齢層をカバーする新型カローラ

 トヨタはグローバルモデルで量販車種のカローラ(セダン)、カローラツーリング(ステーションワゴン)を日本国内に向けてフルモデルチェンジ。同時に、5ドアハッチバック車のカローラスポーツに一部改良を加えて、2019年9月17日に発売しました。

新型 トヨタ「カローラ」のフロント
新型 トヨタ「カローラ」のフロント

 カローラは、2018年10月にパリモーターショーでスタイリッシュなシューティングブレークにも見えるステーションワゴンを公開。同11月の広州国際モーターショーではセダン「カローラ」もワールドプレミアされ、日本でも発表が待たれていたモデルです。

 日本にはすでに昨年6月、尖兵としてスポーティなハッチバック車、「カローラスポーツ」を先行投入。カローラスポーツはTNGAプラットフォームを採用したことで、デザインと走りが進化したと評価されていました。

 そして今回のフルモデルチェンジで、ハッチバックモデルに加えて3ボックスのセダン型カローラ、ステーションワゴン型のツーリングが投入され、多彩なライフスタイルに応じてカローラシリーズを選択できるようになったのです。

 トヨタの公式発表によると、発売から1カ月の受注台数は約2万2000台で、計画の2倍と好調な売れ行きを見せています。

 3つのバリエーションによる内訳は、セダンが約5400台(販売目標1700台/月)、ツーリングが約1万3700台(同5400台)、既に発売されていたハッチバックのスポーツが約3000台(同2300台)でした。

 さらに、その後の経過も順調で、自動車販売協会連合会の車名別販売台数統計によると、カローラは10月に、「プリウス」や「シエンタ」、「日産ノート」を抑えて登録車第1位となっており、国内ベストセラーカーの復活が囁かれています。

 トヨタの販売店によると、「人気のポイントは、スポーティなエクステリアと気持ちの良い上質な走り、そして乗り心地の良さ」とのことでした。

 また、ディスプレイオーディオを搭載し、スマートフォンと連携することにより身近になったコネクティッドサービスなどのアクセサリー関係も好評のようです。

 なかでも、自転車や夜間の歩行者検知が可能な最新の安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」が全車に標準装備となっている点に対する評価が高く、GからXのグレードではオプションとなっている安全装備「インテリジェントクリアランスソナー」の装着率は、約8割にのぼります。

 グレード別の受注実績をみると、カローラ(セダン)では、1.8リッターガソリンエンジン搭載の中間グレード「S」(213万9500円 消費税込 以下同様)が約4割、カローラツーリングは上級グレードの「W×B」(236万5000円/CVT、245万8500円/ターボMT車)が約5割となっているようです。残念ながら、ハイブリッドモデルとガソリン車の構成比については未発表となっています。

 また、新型の購入者は従来型カローラからの乗り換えだけでなく、先代型プリウスやトヨタ「カムリ」、「アリオン」など多彩な車種の入れ替えとなっているようです。

 都内のトヨタ販売店スタッフによると、カローラ(セダン)の購入層は30代から40代の比較的若い子育て世代の夫婦が多い印象で、家族3人から4人で乗る機会が多い人たちとのこと。

 対して、カローラ3車種のなかで最量販モデルとなるツーリング購入者の年齢層は、20代から60代までと幅広く、広い荷室を徹底して使い倒すアクティブな家族のイメージだそうです。

 趣味やレジャーに妥協することなく、クルマを積極的に使って楽しむ家族だからこそ、ステーションワゴンの最上級グレードを選択しているといえるでしょう。

 一方、ハッチバックモデルのスポーツを選択する人は、カローラユーザーのなかでも特徴的で、20代の若い世代と60代の年配層で比較的ハッキリと分かれているといいます。

 つまり、ひとりないしふたりで乗るタイプのユーザーが購入しているというのです。20代のカップルカーとして購入するユーザーと、子育てを終えてミニバンを卒業したリタイヤメントカップルが中心なのでしょう。

 なお、年配層には、そのコンパクトなボディが受けている印象です。

 コンパクトなボディとはいうものの、セダン&ワゴンのボディサイズは、全長449mm(4375 mm/ハッチバック)×全幅1745mm×全高1435mm(1460mm/ワゴン)、ホイールベース2640mmの3ナンバーボディとなっています。

 国際的にみてCセグメントのベンチマークとされているフォルクスワーゲン「ゴルフ」(ハッチバック)のボディ寸法は、全長4265mm×全幅1800mm×全高1480mm、ホイールベース2635mmなので、比較しても全長が長めで、全幅が狭いナローな印象です。

 確かに、先代カローラと比べて50mm幅が拡がったとはいえ、海外で販売するグローバル・カローラに比べても国内仕様はマイナス3mmから45mmの細身の体躯が与えられています。

 さらに15インチタイヤ装着のFF車で5.5mの最小回転半径を得て、取り回しの良さを確保しています。

※ ※ ※

 また、カローラがヒットした理由として、史上最大のライバルだった日産「サニー」無き今となっては、国内に直接的なライバルは見つけにくいという点も挙げられます。

 たしかに、ジャンルごとに人気モデルはあり、コンパクトカーではトヨタ「アクア」や日産「ノート」、セダンではプリウス、ステーションワゴンではスバル「インプレッサ」や「レヴォーグ」といった印象です。

 しかし、やはり「カローラ」という看板でまとめられてしまえば太刀打ちも難しいようです。

 登場翌月からいきなり国内普通車販売台数トップに上り詰め、華々しいデビューを飾ったカローラは、2020年もこの好調をキープできるのでしょうか。

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