タクシーも優勢 日産のタクシー車両がトヨタ「JPN TAXI」にかなわない理由とは

乗車拒否問題に発展した「JPN TAXI」の改善方法とは

 2017年に“誰もが利用しやすいタクシー”として登場した、トヨタの「JPN TAXI」。導入開始から約1年半が経過したなかで、「JPN TAXI」を利用しようとした車いす使用者に対して乗務員が『乗車拒否』をするなどの事案が多発しました。

 この事案に対して車いす利用者などから、トヨタに車両改善を求める署名を提出するまでに発展するなど、大きな問題となっています。

 従来型「JPN TAXI」で車いす利用者を乗せるには、座席の折り畳み、専用スロープの設置、車いす固定、搭乗者シートベルト着用などの複雑な手順をおこなうほか、乗降時に広いスペースが必要です。

 また、スロープ自体も複雑な構造のため、設置や撤収にはある程度の時間や慣れが必要となり、知識や不慣れな乗務員による「乗車拒否」が発生するなどの問題に発展していました。

 このような問題点について、前出の粥川 宏氏は次のように説明します。

「すでに街中を走っている『JPN TAXI』既存車への改善パーツ配布を2019年2月におこない、更なる改良を施した一部改善車を2019年3月に発売しています。既存車への改善策としては、改善パーツをタクシー事業者に無償で提供。これで、スロープ設置から車いすを固定するまでに約4分で作業を行なえるようになります。

 さらに、ユーザーの反響を反映した一部改善車では、スロープのパーツなどを大幅に見直したほか、ラベリングなどで作業の効率化も図っています」

トヨタ「JPN TAXI」改善説明会の様子

 また、タクシー会社でも車いす利用者に関する問題について、「今回、トヨタから新たな改善車両が公表されましたが、既に導入している車両すべての部品入れ替えは、それなりの時間がかかることが考えられます。そのため、導入済み車両の改良と平行して、乗務員への教育体制の確立や車いす乗降方法に関するマニュアルを作成するなどして業務改善していく予定です」と話します。

 過去に、大手タクシー会社が実施した、JPN TAXI利用者や乗務員へのアンケートでは、「車内の天井が高く開放感があり快適」、「視界が広くて運転しやすい」という好評価でした。

 しかし一方では、「後部座席の右側窓は開かず、左側も半分までしか下がらないため、気分が悪い時に風に当たれず不便」、「電動スライドドアの開閉速度が非常に遅く、混雑した状況下では不便」という不評も出ています。
 
 トヨタ「JPN TAXI」は、2020年・東京オリンピックに向けて導入された車両です。今回の改善によって、乗車拒否問題が改善され、「誰もが利用しやすい存在」となることに期待が高まります。
 
【了】

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3件のコメント

  1. ジャパンタクシーの車椅子乗車問題は何も改善していない。
    5分以内の車椅子ままの乗車は トヨタの広告見ればわかる、パーツは出しばなし状態でも5分かかります。
    でも、一からパーツ出し、乗務員レベルの手順通りで 乗車だけじゃない、降車もある、最後パーツの片付けもある、少なくでも30分かかる。

    トヨタの宣伝が可笑しいです。

    • 練習は必要ですが、6〜7分あれば可能なはずです。それよりもスロープを使って車椅子を載せるのに、車両横に3m弱のスペースが必要なので、作業場所を選びますね。

  2. 90年代まで日産が独占ですって ? え ~ データ違うでしょ。

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