急カーブ、急傾斜が連続の中国道 「直線で平坦」ではない高速道なぜ誕生?

吹田JCTと下関ICを結ぶ全線540.1キロの中国道(中国縦貫自動車道)は、1983年に全線開通した歴史ある高速道です。しかしカーブが多く、アップダウンも激しい道路で走りにくい高速道といわれています。なぜそのような高速道が誕生したのでしょうか。

高速道なのに急カーブ、急傾斜の連続

 吹田JCT(大阪府吹田市)と下関IC(山口県下関市)を結ぶ全線540.1キロの中国道(中国縦貫自動車道)は、1970年に部分開通(吹田~宝塚)し、1983年に全線開通した歴史ある高速道路です。カーブが多く、アップダウンも激しい道路で、中には日本の高速道路で最も急なカーブ「R200」となる場所もあります。なぜ高速道にもかかわらず走りにくい中国道が誕生したのでしょうか。

急カーブが続く中国道。標識でも注意を促す

 高速道と聞くと「直線で平坦な道」をイメージする人が多いと思いますが、中国道では数ある日本の高速道の中でもかなり特異な存在です。

 筆者(加藤久美子)は下関の実家に車で帰省する際、普段は中国道と並行して走っている山陽道を使います。理由は距離が少し短いことと、カーブや傾斜が少なく走りやすいということなのですが、ある時、事故で山陽道が通行止めになり、中国道に迂回することになりました。

 久しぶりに中国道を全線走ってみて改めて以下のことに気づきました。

・神戸~吹田を除いて、ほぼ全線が最高速度80km/h以下
・最高速度が一般道と同じ60km/hの区間もある
・路肩が狭い。ほぼ全線にわたって車1台が停められる幅員がない
・山間部の地形に沿って設計されているためカーブが多く、R300以下も多数
・交通量が少ない
・SA/PAが古く、また設置の間隔も広い。PAはほぼトイレと自販機のみ

 並行して走る山陽道と比べると明らかに「走りにくい」道路です。

NEXCO西日本に聞いてみた、山陽道との違い

 中国道はなぜ、カーブや傾斜が多いのでしょうか? NEXCO西日本に聞いてみました。

「中国地方を東西に貫く形で走行する中国道は中国山地の中央に位置しており、山肌を縫うように走っています。これは、地形を利用した設計になっているためで、必然的にアップダウンやカーブが多くなります。設計されたのが1960年代とかなり古いこと、また事業費を抑えるなどの理由でトンネル建造を避けたため、傾斜や曲線が多い道路になったと思われます」(NEXCO西日本広報課)

 ちなみに、山陽道(神戸JCT~山口JCTの430km)と、同区間の中国道(同443km)の道路の設計速度についても興味深いデータを教えて頂きました。

●中国道(神戸JCT~山口JCT) 
100km/h区間 なし
80km/h区間 94%
60km/h区間 6%

●山陽道(同) 
100km/h区間 59%
80km/h区間 41%
60km/h区間 なし

 なんと、山陽道と同じ区間では中国道に100km/hで走れる区間は存在しないことがわかりました。

 また、「そらみち見聞録」というサイトを運営し、中国道に詳しい高速道路愛好家hiroさんにも聞いてみました。

「中国道の生い立ちは1957(昭和32)年に策定された『国土開発縦貫自動車道建設法』の規定に基づき、大阪近郊から下関・九州までを一つの線路で結ぶ発想がきっかけになっています。地元の図書館に残る古い文献などをもとに私が調査した範囲では、具体的にどこを通るのかという議事録などは確認できませんでしたが、調査報告書を分析する限りでは、当時から存在していた国鉄路線に近い場所を通すという目論見はあったようです。

 建設前に日本道路公団が調べた当時の調査報告書では、南側を走る山陽道と同様にトンネルと高架橋・切り通しを多用した、大変滑らかな設計が望ましいことをうかがわせる内容になっていました。

 しかし、実際に建設となると2kmを超える長距離トンネルが連続するなどの理由から、早期に京阪神⇔九州を繋ぐ中国道としては建設の手間が掛からないように設計を見直し、今の『もとの地形に沿った道路』を作る形で落ち着いたものと思われます」

 もともとは高架橋や切通を多用したカーブの少ない滑らかな設計が行われる予定だったようです。

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コメント

3件のコメント

  1. 実は他車のストレスなく移動できるいい道路です。

  2. 名阪国道よりも走りやすい?

  3. 吹田から津山辺りまでは、多少のカーブやアップダウンはありますが、期待するほどではありません。
    特に兵庫県内は山陽道の連続トンネルよりも見晴らしもよく走りやすいですよ。