ライバルなんて関係無い! トヨタ・スバル・マツダ・ホンダが仲良く話し合う「より良い環境づくり」 願うは日産参戦も!
2022年10月15日にスーパー耐久シリーズ第6戦岡山大会にて、トヨタ・スバル・マツダ・ホンダの4社とメディアによるワイワイガヤガヤな話し合いがおこなわれました。それはどのような様子だったのでしょうか。
トヨタ・スバル・マツダ・ホンダが「仲良く話し合う」その内容とは
自動車メーカーは日々、自社がラインナップするモデルの商品力向上や販売戦略をおこなっています。
その一方で、「モータースポーツ活動の普及」と「カーボンニュートラルの実現」という一見、相容れないことも平行して取り組んでいます。
そうしたなかでトヨタ・スバル・マツダ・ホンダはスーパー耐久シリーズにて前述の取り組みをメーカーの垣根を超えて挑戦しているといいます。
この4社は、日本のみならず世界を代表する自動車メーカーとなり、さまざま市場で常にライバル関係にある存在です。
またスーパー耐久シリーズの各カテゴリにおいても、レースというなかで速さを競いあっています。
しかしその一方では、「モータースポーツ活動の普及」と「カーボンニュートラルの実現」の二大課題について、自動車メーカーの垣根を超えて「より良い環境づくり」をするために話し合いをおこなっているのです。
今回、2022年10月15日・16日に開催されたスーパー耐久シリーズ第6戦岡山大会においても、国内4社の話し合いがおこなわれています。
これまでであれば、この話し合いは4社の関係者がレースマシンの改善、カーボンニュートラルへの取り組み、モータースポーツの魅力発信などをテーマにクローズドでおこなわれていました。
しかし、今回は「伝える仲間」としていくつかのメディアも話し合いの場に参加。
これにより「モータースポーツ活動の普及」と「カーボンニュートラルの実現」を実行する自動車メーカー側とそれを伝えるメディアという双方の意見交換が実現したのです。
元々、4社はそれぞれの目的を持ってスーパー耐久シリーズに参戦しています。
例えば、トヨタ(GR)では2021年シリーズから水素エンジンを搭載する「カローラ」にて「水素社会の実現に向けた実証実験」をレースの場で進化させて来ました。
また、2022年シリーズからは「GR86」にカーボンニュートラル燃料を使って参戦するという、水素とは別の取り組みをスバルとともにおこなっています。
スバルはGR86と同じく「BRZ」にカーボンニュートラル燃料を使用して参戦するほか、さらに社内の人材育成というテーマも併せ持った取り組みです。
またこのGR86とBRZはスーパー耐久シリーズに参戦することで、「次期型モデルを見越した公開開発の場」という側面もあるなど、まさに「走る実験室」を具現化しています。
一方のマツダは、2022年シリーズからバイオディーゼル燃料を使用した「マツダ2」でフル参戦。トヨタ/スバルとは異なるカーボンニュートラルの実験として取り組んでいます。
またホンダ(HRC)は、カーボンニュートラル燃料などの取り組みでは、無いものの以前から社内有志による活動として「シビックタイプR」で参戦。
2022年シリーズの最終戦となる鈴鹿では新型シビックタイプRで参戦するなど、レース好きだけじゃないクルマ好きへの話題を提供しています。
こうした4社とメディアが入り混じった初めての話し合いの場ですが、主には「参加型モータースポーツの参入問題」や「カーボンニュートラル燃料の取り組み」といった継続課題に加えて、それらを「どのようにエンドユーザーに発信するか」という部分も合わせて話し合われました。
一度だけの会議では結論は出ないものの、自動車メーカーの垣根、メディアの垣根を超えた「日本の自動車市場の今後」をどのように「より良いものにするか」という有意義な話し合いとなったのです。
それぞれの立場は違えど、目指すものは同じという観点からこのような場は、今後リアルイベントやYouTubeなどを通してエンドユーザーも発信出来る場でやることも意味があるかもしれません。
なお今回の話し合いに関して「名称」を決めようと話が出たものの決まらずじまいでしたが、正式に決定するまではあえて「S耐メーカー連合会(仮)」と名付けておきます。
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また、スーパー耐久シリーズ2022には、第2戦富士24時間でカーボンニュートラル燃料と従来燃料を使った新型「フェアレディZ(Nissan Z)」が参戦していました。
それ以降も従来燃料のNissan Zで参戦している日産/NISMOですが、これまでの4社の話し合いには参加していないようです。
日産/NISMOとしてもさまざまな事情はあるようですが、「モータースポーツ活動の普及」と「カーボンニュートラルの実現」という部分に関しては「同士」といえる存在。
いつの日か、5社とメディアで語らう日を願います。