頭文字Dの聖地でAE86が華麗に走った!? トヨタ&スバルが盛り上げたラリチャレ渋川が激アツ!
なんとスバルもラリーに協力!? どんな走りを見せたのか?
ラリーでは競技車両の前に、「まもなくラリー車が来ますよ」という案内と、「コースチェックを行う」ためのゼロカーが走ります。
ゼッケンが「00」であったり「0」のため0カーと呼ばれます。
今回は0カー、0Aカー、0Bカーと3台の0カーが走りましたが、なんと0Aカーをスバルのワークスドライバーである山内英輝選手が乗り込みました。
助手席のコ・ドライバーには全日本ラリー選手権の、JN-3クラスにてBRZでチャンピオンを獲った竹内源樹選手が乗り込みます。
竹内選手はスバルのエンジニアでもあり、スーパー耐久に参戦する「#61 Team SDA Engineering」のチーフエンジニアも務める人です。
今回のラリーでレッキ1回、午前中のセクション1、午後のセクション2と合計3回同じ場所を走りました。
レッキは雨も降ったりとコンディションは良くありませんでした。本番日は猛暑で晴れましたが前日の雨が残っており、午前中のセクション1のときに日陰では滑りやすい場所もありました。
午後になると全面的に渇きましたが、今度は砂利が出てくるという、同じ路面が一度もありませんでした。
そんなこともあり山内選手は0Aカーについて、次のように話しています。
「とにかく怖い。路面が濡れているとどこまで滑っていくのかわからない。晴れて大丈夫だろうと思うと日陰は苔むしていて滑る。
最後は砂利が出てきてそれでまた滑る。同じ感じで全然走れない。でもとても楽しかったです。良い経験をさせてもらいました。
隣りに乗っている竹内さんに、ここはもっと行けるよ。って言われるんですけど、自制心が勝っていけない。
でも全体的に神経の使い方とか心の持ちようなどは、『どのカテゴリーでも同じなのか?』と思えました。
段々と慣れてくると行けそうかなと思えてくるんです。そういう時に事故を起こしてしまいそう。
ゼロカーが事故では洒落にならないので、ゆっくりで良いです(笑)」
コ・ドライバーの竹内さんは次のように話してくれました。
「分かりやすいようなペースノートを作って読んでいたんですけど、呪文を聞いているようで分からない。
って山内さんは最初に言っていたんですけど、段々とわかるようになってくると、徐々にペースが上がっていきましたね。
こっちがブレーキ!ブレーキ!って言っても見えているからまだその先まで行っちゃったり。でも楽しんでいるのがわかりました」
このようにスーパー耐久でもエンジニアとドライバーという立場で頻繁に会話を行っているだけあり、コミュニケーションはスムーズに行えていたそうです。
ラリーチャレンジはトヨタ車限定で行われており、メインはヤリス、ヴィッツ、アクアといった小排気量で初心者でも入りやすいような車両が多く走っています。
その他にGR86や86、AE86と時代を超えた86対決や、軽自動車のダイハツコペンGR、TGR-WRG GRヤリスと言ったWRCを戦うラリーカーのベース車みたいな車両であったり、トヨタ車体が走らせるハイエースが走ったりと見ている方も楽しめるラリーです。
コペンを走らせるD-SPORTレーシングでは、「小排気量ですし、トレッドが狭いことで他の車両と路面が合わず走りにくいところもありました。コペンでの久しぶりのラリーでした。以前からあった問題点を改善したパーツを多く盛り込んだ結果、良いラリーができたので、次に繋げていきたいです」と振り返ります。
異色のハイエースを走らせたトヨタ車体では「前回のニセコに続きまだ2回目のラリーで何をどうしたら。という状況ではありますけど、ハイエースもいろいろできることがわかりました。今後どのようにしていくかも検討しながらラリーを続けていきたい」と苦労の中に次に繋がる開発が見えているそうです。
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全12戦で戦われ、次回は第6戦利府(宮城県利府町)が開催されます。