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「進化が止まらない!」GRヤリスの“エボ”マシン!?「GRMNヤリス ラリーパッケージ」にダートコースで試乗

山本シンヤ

東京オートサロン2022でワールドプレミアとなった「GRMNヤリス」には非舗装コース仕様「ラリーパッケージ」が用意されています。貴重なスーパーマシンにダートコースで試乗しました。

奥深きドライビング! 気付けば仕事を忘れ「もっと走りたい!」

 今年1月に開催された「東京オートサロン2022」で世界初公開された「GRMNヤリス」。

 すでに「サーキットパッケージ」の試乗記はお届け済みですが、今回は「ラリーパッケージ」を紹介します。千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイ内にある特設ダートコースで試乗しました。

 GRMNヤリスを少しだけおさらいすると、GRヤリスをベースにモータースポーツ活動を通じて得られた知見/ノウハウを素早くフィードバックしたモデルで、車体(剛性アップ&軽量化)、エンジン(トルクアップ&レスポンス/応答性アップ)、駆動系(クロスレシオ化&強度アップ)など、よりハードな走行を視野に入れたスペックが与えられています。

 その詳細については前回の試乗記で細かく解説していますので、今回は割愛します……。

 GRMNヤリス ラリーパッケージは、非舗装路での走行に軸足を置いたアイテムがプラスされており、ラリー用のショックアブソーバー&スタビリンクセット、アンダーガード、ロールバー(サイドバー有)などが装備されています。

 これらはGRヤリス用の「競技者向けGRパーツ」として発売されているものになります。

 ちなみにサーキットパッケージの専用アイテムは工場装着ですが、ラリーパッケージの専用アイテムはレギュレーションの関係から販売店装着となっています。

 今回はダート走行ということで、タイヤとホイールは「ダンロップ ディレッツァ88R+RAYS」が装着されていました。

※ ※ ※

 ロールケージをまたいでレカロ製のフルバケットシートに座ります。純正シートとしては非常にタイトなサイズですが、窮屈さはありません。5点式シートベルトを締めてスタートです。

 筆者は以前、同じコースで同じアイテムを装着したGRヤリスに試乗したことがあります。その時の印象は非常にコントローラブルで楽しく走れるモデルでしたが、GRMNヤリスはその上をいきます。

 例えるなら「4WDの人馬一体」といっていいレベルで、とにかく手の内感が強いのが印象的です。

 非舗装路は舗装路よりもグリップが低いので、スライドを許容しながら前に進むというドライビングが求められ、特にコーナー侵入は荷重移動をより積極的に活用した操作が重要となります。

 ただ、筆者は非舗装路のプロではないので、GRヤリスへの試乗時はグリップの感覚がなかなかつかめず、結果として無駄なアンダー/オーバーを出していました。

 このときは、実のところ「こんなものかな?」と思って乗っていたのですが、GRMNヤリスに乗って同じ速度、同じ操作でコーナーに進入すると、ノーズがGRヤリスよりもインを向いてくれるのです。

 またスライド時のクルマの動きは、どちらかというと暴れ馬を手なずける感覚が強いGRヤリスに対して、GRMNヤリスはクルマとの意思疎通が明確で、意図しない無駄な動きは出ないのにアクションにはシッカリと応じてくれます。

 さらに挙動変化を起こしてもその動きがスローに感じるくらい余裕があった(実際は相当速い)のは、唐突な動きがないのとコントロール性の高さから来るものでしょう。

 この辺りは、ボディ剛性向上(スポット+541点&構造用接着剤+12m)で操作に対する反応の良さや入力を受け止める強靭さが増したことに加えて、パワートレインの進化(トルクアップ&ギアレシオ変更)でドライバーが求めるときに必要な力をシッカリ引き出せるようになったことなど、さまざまな部位のレベルアップが相乗効果として走りに出たのでしょう。

 クルマとの信頼関係がより高まると、ドライビングは楽しくなるのはもちろん、より高みを目指すこともできます。

 筆者も最初は探り探りの走行だったのですが、最後は進入から横を向きながらといったようなダートラっぽい走りも可能でした。正直いうと、仕事を忘れて「もっと走っていたい!!」と思ってしまったくらいです。

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