20代若者がスポーツカーをこぞって購入!? トヨタ「GR86」が驚異の人気! 発売1年の成果は?
トヨタ「GR86」が2021年10月に発売されてから間もなく1年が経過します。同車を購入したユーザーからどのように評価されているのでしょうか。
安いグレードを買ってカスタムを楽しむオーナーも
2021年10月28日に発売されたトヨタのスポーツカー「GR86」は、「86(ハチロク)」の伝統を受け継ぎつつ、2.4リッターエンジンの搭載や超低重心のFRパッケージの採用によって「GRらしい走りの味」を追求。気持ちの良い走りを可能にするモデルへと生まれ変わりました。
現行モデルの登場から1年が経過しますが、GR86はユーザーからどう評価されているのでしょうか。
TOYOTA Gazoo Racing広報によると、2022年10月現在、1万3449台が販売されたといいます。
日本自動車販売協会連合会が毎月発表する登録台数ランキングではしばしば50位以内にランクインするほか、2022年上期(4月から9月)においては7112台を登録して全体の31位になるなど、スポーツクーペではトップセールスを誇っています。
また、購入者の66.7%がMT車を選択。
GR86は、初代86と同じく、トヨタとスバルが共同開発したモデルで、スバルでは「BRZ」として販売されています。
AT車にはスバルの運転支援システム「アイサイト」が搭載され、安全性を高めているのですが、スポーツカーだけに自らの手足で操ることができるMT車のほうが人気であることがわかります。
さらに、購入者の特徴として若い世代が多いということも挙げられます。
年代別の比率を見ると、20代が27.8%ともっとも多く、次いで50代(25.5%)、40代(18.1%)、60代(14.5%)、30代(14.1%)となります。
GR86のようなスポーツカーの購入者層にはふたつの山が存在し、20代の若い世代が購入したあと、30代になって結婚して子どもが生まれるといった事情で一旦離れ、その後子どもが大きくなった40代以降にまた戻ってくるといわれています。
2ドアクーペは子育て世代にとっては使いづらいことから、若いうちに乗りたいクルマに乗っておこうと考える人が多いというわけです。
では、GR86を購入したMさん(東京都在住・30代)に話を聞いてみました。
Mさんはエントリーグレードの「RC」を購入したといいますが、これには理由があり、カスタムする予定だったことから豪華な装備は不要と考えたためだといいます。
「久しぶりのMT車はやはり楽しいです。日常の運転が楽しいのはもちろんですが、カスタムする楽しさもあります。
RCグレードは装備が簡素化されているので車両価格も安く、その分をカスタム費用に充てることができます。
良い意味で未完成のクルマなので自分好みにカスタムする楽しみがあるのと、GR86を通じて仲間もできて交流の場が広がりました」
走りの楽しさとカスタムの楽しさを満喫しているMさんはGR86に対してとくに不満はないといいますが、しいてデメリットを挙げるとすれば「カスタムにお金がかかる」とのこと。
昨今のクルマは電動化や自動化が進み、カスタムがしづらくなっているという現状があります。
そんななか、GR86は純ガソリン車でMT車が多く占めていることもあり比較的自由にカスタムすることが可能。
初代86もそうですが、GR86でもたくさんのカスタムパーツが登場し、オーナーは思い思いのカスタムを楽しんでおり、そんなところも若者から支持を受ける理由のひとつといえそうです。
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2012年の初代デビューから10周年を記念した、オレンジボディの特別仕様車「RZ“10th Anniversary Limited”」が2022年7月に期間限定で発売されましたが注文が殺到。
生産能力を上回る台数の予約があったことから、期間を前倒しして受付が終了したほど人気となっています。