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なぜ30秒動画が「360万回」も再生された!? トヨタ社長きっかけの「GR86動画」がバズった背景とは

くるまのニュース、くるまのニュース編集部:金子高志

TOYOTA GAZOO Racingは1本の動画を公式YouTubeに公開しました。2022年4月15日公開後、2日で160万回再生されるなど大きな注目を集めていますが、どのような背景で企画されたのでしょうか。

クルマ好きのトヨタ社長が企画したGR86 [THE FR]とは

 2022年4月15日、1本の動画がTOYOTA GAZOO Racingの公式YouTube上で公開されました。
 
 そのタイトルはGR86 [THE FR]。30秒という短い動画ですが、公開2日で160万回再生。そして、公開1週間となる4月22時点で約360万回再生するなど、注目されています。
 
 なぜ電動化が叫ばれているこの時代に、ドリフトをするスポーツカーの動画に大きな反響が寄せられているのでしょうか。

 この動画は、夜のサーキットをAE86、TOYOTA 86、GR86の歴代ハチロクがレーシングコースで接近ドリフト。

 その様子を後方からドローンが接近していき、ぶつかる寸前に助手席の窓からすり抜けていくという、まさに圧巻の内容です。

 また、この動画はドローンによる高速旋回映像やドライバー視点がシームレスに連続するドライビング映像により、GR86が持つ「FR のワクドキ」と「86らしさ」を表現するものだといいます。

 一見、CGを駆使して製作されたようにも思えますが、実はこの動画は富士スピードウェイを貸し切って、関東全域から集めたという照明車36台で照らされた特殊な環境下でおこなわれたのです。

 実際にその現場にいたくるまのニュース編集部(金子)は、その規模に驚きを隠せませんでした。

 撮影は、2022年3月上旬に富士スピードウェイを3日間貸し切っておこなわれました。日中はテストを繰り返し、日没後の気温が下がりきったなかで本番。36台の照明車の効果により、夜間なのに昼間のような独特の明るさを表現しています。

 スペックの異なる3台の歴代ハチロクが接近するだけでも大変なものですが、そこはプロドライバー達による「FR操舵技術」が光ります。

 また、その3台をドローンで追従して撮影していますが、これは人の手によるもので、最高難度の「ドローン操作」の組み合わせにより実現。

 撮影中は、クルマにドローンがぶつかるというアクシデントや、GR86にAE86が追いつかないなどの試練がありました。

 このようにして撮影された動画は、TOYOTA86から新しくGR86に生まれ変わる際に、既存ファンの期待に応えつつも新しいファンを増やすためにどうするかという議論から始まったといいます。

 その議論は2年前からおこなわれていたといい、最終的な企画のはじまりは、世界一の86ファンであるモリゾウことトヨタ社長の豊田章男氏の思いだったといいます。

 モリゾウの「86はトヨタのFR (フロントエンジン・リアドライブ)の象徴である」という一言により、本動画が動き出し、FRの走りを最大限に「美しく強く」表現する方法が検討されたようです。

 今回、TOYOTA86からGR86に新たな車名になりましたが、GRはモリゾウが立ち上げたスポーツカーブランドです。

 GRはモータースポーツで培った技術と情熱を起点にクルマを作り上げるというコンセプトを持ち、これまで「GRスープラ」、「GRヤリス」、「GR86」、「GRカローラ」などが登場してきました。

 これらのラインナップのなかで、GR86を用いた今回の動画はクルマ好きが惹かれる「FR」の魅力を30秒という限られた時間で余すことなく伝えたことが注目された要因なのかもしれません。

【画像】こんなハチロク見たこと無い! 異次元空間でドリフト! その裏側を見る!(34枚)
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