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大改造「86」が登場!? 話題のトヨタ「3世代ハチロク」ドリフト! 「どうやって撮影したの?」舞台裏に潜入してみた!ド迫力映像の秘密とは

工藤貴宏

異なる3台のハチロクの性能差…大接近ドリフト撮影のための秘策とは?

 当然ながらGR86に比べるとトヨタ86はパワーも限界域も低く、大先輩のAE86はさらに大きな性能差がついてしまうのは否めません。

 そうなると速度もアングルも揃えながら3台でドリフトをする難易度が高まるのですが、今回の撮影ではどう解決したと思いますか。

 種明かしをすると、それぞれの86に履くタイヤのグリップレベルに差をつけて調整し、3台のパフォーマンスの差を減らしたのです。

 そして、このCMが迫力たっぷりな理由は、なんといっても視点でしょう。ドリフトしている3台を追いかけるような視点におもわず引き込まれてしまいます。

 何を隠そうこれがドローン撮影だから実現できたこと。今回の撮影では、ドローンは「画面に登場しないもう1台のマシン」といっていい存在です。

 ハイライトは、視点(=ドローン)がGR86の車内に進入するするシーン。

 「そんなのCGだから簡単にできる」と思った人も多いかもしれませんが、なんとCGではなく実写。実際にドリフトしているGR86の室内に、助手席の窓からドローンが入り込むのです。

 もちろん疾走するクルマの窓からドローンが車内へ入るのは簡単なことではなく、難易度が高すぎるテクニック。実は撮影中は何度も何度も失敗し、車体へのドローンの接触だって幾度となく起こりました。

 そして失敗すること数十回。時間も押し迫るなか、ついに成功したときはプレッシャーから一気に解放された空気が現場に流れました。

 ドローンが車内に入る際の車両の速度は約80km/h! 86の3人のドライバーはもちろん、ドローンパイロットも凄い腕です。

「大切にしたのはスピード感。もっと速度を落とせばここまで苦労しなくても撮影できたと思うけれど、それでは走りの迫力がでない映像になってしまいます。ドローンにあわせるのではなく、スピード感のある走りにドローンをあわせてもらったのです」

 とGR86のドライバーを務めた佐々木選手は現場でこだわりを教えてくれました。

「スピードと細かい動きの両方が必要。過去の仕事のなかでももっとも難しいプロジェクトでした」とドローンを担当した日本でトップレベルの腕を持つドローンパイロットの田中道人さんもその難しさを明かします。

 ちなみに撮影は3月中旬の富士スピードウェイでしたが、その時期の夜はまだ寒く、撮影時には雪が舞ってきたほど。スタッフにとっても過酷な現場だったのは間違いありません。

 迫力あふれる映像の裏側にあるそんな撮影秘話を知れば、今度のGR86のCMを見るときはもっともっと深く楽しめること間違いなしです。

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